コラム【 サラダを相続したかった!?】


平成24年7月2日・・・

 

私の母はがんを患い4年間の闘病生活の末に亡くなりました(享年61歳)。

父も既に他界(享年49歳)していましたので、葬儀や法要は、4歳年上の兄と力を合わせ何とか執り行うことができました。

 

さてさて、遺産分けはというと ・ ・ ・ ?

 

みなさん、ご安心を!!

昔から兄弟で話し合っていたこともあり、争うこともなくこちらも無事に手続きが完了。

 

それから数ヶ月後のある日のことです。

兄との何気ない会話の中で母のお手製タマゴサラダの話題になりました。

 

ジャガイモとマヨネーズがたっぷり入ったそのサラダは、お祭りなどで親戚や友人が集まる時には欠かせない一品。

幼なじみのHくんは、その旨さからこれを伝説のサラダと命名したほどです。

 

今となってはもう食べることができない。

そう・・・、皮肉にも本当に『伝説』となってしまったのです。

 

「作り方を教わっておけば良かった」

「石川家の伝統の味になったのかな。」

そうぼんやりと考えていた時、ハッと気づかされたのです。

 

『引き継ぐべきものは、目に見えるモノだけじゃない!!』

人は、【相続】という言葉を聞くとどうしても遺産(=モノ)をどのように分けるか、ということばかりに気を取られがちです。

 

そもそも、相続という言葉には、「引き継ぐ」「後に続く」という意味があるのですが、やはり最も大切にすべきものは、その人の想い面影だと思います。

 

それらをどう遺しどう受け継いでいくのか。

 

 

それを知ったタマゴサラダは私の相続業務の原点です。

さてみなさん!あなたのご家庭のサラダは、誰が相続していきますか?

 

行政書士 石 川 高 雄