管工事施工管理技術検定は、建設工事に従事する施工技術の確保、向上を図ることにより、資質を向上し、建設工事の適正な施工の確保に資するもので、国土交通大臣指定試験機関である一般財団法人全国建設研修センターが実施する国家試験です。管工事施工管理技術検定は、令和3年度から第一次検定及び第二次検定によって行われ、第一次検定合格者は「管工事施工管理技士補」、第二次検定合格者は「管工事施工管理技士」の国家資格を取得することができます。
◇1級 第一次検定合格者:1級管工事施工管理技士補
◇1級 第二次検定合格者:1級管工事施工管理技士
◇2級 第一次検定合格者:2級管工事施工管理技士補
◇2級 第二次検定合格者:2級管工事施工管理技士
管工事施工管理技士試験を受験するには受験資格として、実務経験を満たしている必要があります。具体的には次の①~③をいいます。
① 受注者(請負人)として施工を指揮・監督した経験(施工図の作成や、補助者としての経験も含みます)
② 発注者側における現場監督技術者等(補助者としての経験も含む)としての経験
③ 設計者等による工事監理の経験(補助者としての経験も含みます)
具体的な「工事種別」「工事内容」については次のとおりです。
冷暖房設備工事
1. 冷温熱源機器据付工事 2. ダクト工事 3. 冷媒配管工事 4. 冷温水配管工事 5. 蒸気配管工事 6. 燃料配管工事 7. TES 機器据付工事 8. 冷暖房機器据付工事 9. 圧縮空気管設備工事 10.熱供給設備配管工事 11. ボイラー据付工事 12. コージェネレーション設備工事
冷凍冷蔵設備工事
1. 冷凍冷蔵機器据付及び冷媒配管工事 2. 冷却水配管工事 3. エアー配管工事 4. 自動計装工事
空気調和設備工事
1. 冷温熱源機器据付工事 2. 空気調和機器据付工事 3. ダクト工事 4. 冷温水配管工事 5. 自動計装工事 6. クリーンルーム設備工事
換気設備工事
1. 送風機据付工事 2. ダクト工事 3. 排煙設備工事
給排水・給湯設備工事
1. 給排水ポンプ据付工事 2. 給排水配管工事 3. 給湯器据付工事 4. 給湯配管工事 5. 専用水道工事 6. ゴルフ場散水配管工事 7. 散水消雪設備工事 8. プール施設配管工事 9. 噴水施設配管工事 10. ろ過器設備工事 11. 受水槽又は高置水槽据付工事 12. さく井工事
厨房設備工事
1. 厨房機器据付及び配管工事
衛生器具設備工事
1. 衛生器具取付工事
浄化槽設備工事
1. 浄化槽設置工事 2. 農業集落排水設備工事 ※終末処理場等は除く
ガス管配管設備工事
1. 都市ガス配管工事 2. プロパンガス(LPG)配管工事 3. LNG 配管工事 4. 液化ガス供給配管工事 5. 医療ガス設備工事 ※公道下の本管工事を含む
管内更生工事
1. 給水管ライニング更生工事 2. 排水管ライニング更生工事 ※公道下の上下水道の管内更生工事は除く
消火設備工事
1. 屋内消火栓設備工事 2. 屋外消火栓設備工事 3. スプリンクラー設備工事 4. 不活性ガス消火設備工事 5. 泡消火設備工事
上水道配管工事
1. 給水装置の分岐を有する配水小管工事 2. 本管からの引込工事(給水装置) ※公道下の本管工事は除く
下水道配管工事
1. 施設の敷地内の配管工事 2. 本管から公設桝までの接続工事※公道下の本管工事は除く
管工事施工管理の実務経験と認められない工事は次のとおりです。
土木一式工事
管渠工事、暗渠工事、取水堰工事、用水路工事、灌漑工事、しゅんせつ工事、公道下の上水道配水管敷設工事、公道下の下水道本管路敷設工事 等
建築一式工事
型枠工事、鉄筋工事、内装仕上工事、建具取付工事、防水工事 等
機械器具設置工事
トンネルの給排気機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、揚排水機器設置工事、生産設備(ライン含)内の配管工事 等
水道施設工事
上水道の取水・浄水・配水等施設設置工事、下水処理場(終末処理場)内の処理設備設置工事、ポンプ場設置工事 等
電気工事
照明設備工事・引込線工事、送配電線工事、構内電気設備工事、変電設備工事、発電設備工事 等
電気通信工事
通信ケーブル工事、衛星通信設備工事、LAN設備工事、監視カメラ設備工事 等
その他
船舶の配管工事、航空機の配管工事、工場での配管プレハブ加工、気送管(エアシューター)設備工事 等
管工事施工管理の実務経験と認められない業務・作業は次のとおりです。
①工事着工以前における設計者としての基本設計・実施設計のみの業務
②調査(点検含む)、設計(積算含む)、保守・維持・メンテナンス等の業務
③工事現場の事務、営業等の業務
④官公庁における行政及び行政指導、研究所、学校(大学院等)、訓練所等における研究、教育及び指導等の業務
⑤アルバイトによる作業員としての経験
⑥工程管理、品質管理、安全管理等を含まない雑役務のみの業務、単純な労務作業等
⑦入社後の研修期間(工事現場の施工管理になりません)
※上記業務以外でも、管工事施工管理の実務経験とは認められない業務・作業等は、全て受検できません。
<監理技術者とは?>
発注者から直接工事を請け負い(元請)、かつ4,500万円(建築一式工事の場合は9,000万円)以上を下請契約して施工する特定建設業者にあっては、監理技術者を設置しなければなりません。
監理技術者の仕事は、施工計画の作成、工程管理、品質管理などの技術的な管理や、工事を行う人たちの指導と監督です。監理技術者は、下請負人を適切に指導・監督するという重要な役割を持っているため、主任技術者よりも厳しい資格や経験が求められます。
【1級 管工事施工管理技士が監理技術者になれる業種】
管工事業
<主任技術者とは?>
建設業者は、請け負った建設工事を施工する際、請負金額の大小や元請・下請に関わらず、必ず工事現場に施工の技術管理を担当する主任技術者を配置しなければなりません。ただし、特定専門工事において主任技術者の配置が不要となる下請負人はこの限りではありません。
【1級 管工事施工管理技士が主任技術者になれる業種】
鉄筋(3年)、しゅんせつ(3年)、板金(3年)、機械器具設置(3年)、熱絶縁(3年)、さく井(3年)、建具(3年)、水道施設(3年)、消防施設(3年)、清掃施設(3年)
※( )内の数字は、資格取得後に必要な当該業種での実務経験年数を示しています。
【1級 管工事施工管理技士補が主任技術者になれる業種】
鉄筋(3年)、しゅんせつ(3年)、板金(3年)、機械器具設置(3年)、熱絶縁(3年)、さく井(3年)、建具(3年)、水道施設(3年)、消防施設(3年)、清掃施設(3年)
※( )内の数字は、資格取得後に必要な当該業種での実務経験年数を示しています。
【2級 管工事施工管理技士が主任技術者になれる業種】
管工事業、鉄筋(5年)、しゅんせつ(5年)、板金(5年)、機械器具設置(5年)、熱絶縁(5年)、さく井(5年)、建具(5年)、水道施設(5年)、消防施設(5年)、清掃施設(5年)
※( )内の数字は、資格取得後に必要な当該業種での実務経験年数を示しています。
【2級 管工事施工管理技士補が主任技術者になれる業種】
鉄筋(5年)、しゅんせつ(5年)、板金(5年)、機械器具設置(5年)、熱絶縁(5年)、さく井(5年)、建具(5年)、水道施設(5年)、消防施設(5年)、清掃施設(5年)
※( )内の数字は、資格取得後に必要な当該業種での実務経験年数を示しています。
管工事施工管理技士や技士補がいることで、経審のZ点が向上します。Z点は「技術職員数」と「元請完成工事高」という項目で評価されますが、その中でも「技術職員数」が全体の80%を占める重要な要素です。つまり、技術職員の人数が多いほど、より高い評価を得ることができます。
【1級 管工事施工管理技士】
5点:管工事業
1点:鉄筋、しゅんせつ、板金、機械器具設置、熱絶縁、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設
【1級 管工事施工管理技士補】
1点:鉄筋、しゅんせつ、板金、機械器具設置、熱絶縁、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設
【2級 管工事施工管理技士】
2点:管工事業
1点:鉄筋、しゅんせつ、板金、機械器具設置、熱絶縁、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設
【2級 管工事施工管理技士補】
1点:鉄筋、しゅんせつ、板金、機械器具設置、熱絶縁、さく井、建具、水道施設、消防施設、清掃施設
実務経験に該当する工事かどうか、経審に関するご質問、またその他のご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。