令和7年 建設業法改正を見据えた建設キャリアアップシステムサポート
・CCUSには登録したものの、仕組みまではよく分からない…
・法改正と聞くと、何から対応すればよいのか不安になる…
・経審や入札に、どのような影響があるのか知っておきたい…
こうしたご相談を、私たちは多くの建設業者様からお受けしています。 令和7年の建設業法改正では、「CCUSに登録しているか」だけでなく、「CCUSをきちんと活用できているか」が、企業評価に影響する流れが明確になりました。 内容を知らないままにしておくと、知らないうちに評価や受注の場面で差がついてしまう可能性もあります。
こうしたご相談を、私たちは多くの建設業者様からお受けしています。令和7年の建設業法改正では、「CCUSに登録しているか」だけでなく、「CCUSをきちんと活用できているか」が、企業評価に影響する流れが明確になりました。 内容を知らないままにしておくと、知らないうちに評価や受注の場面で差がついてしまう可能性もあります。
今回の改正は、建設業界の深刻な人手不足を解消するために行われました。 これまで建設業では、賃金水準や労働時間の面で、若い世代が将来を描きにくい状況が続いてきました。現場を支える担い手を確保するために、今、国を挙げて大きな制度の見直しが進められています。
今回の改正で最も重視されているのが、適正な労務費の確保です。 ここで知っておきたいのは、建設キャリアアップシステム(CCUS)の役割がこれまでとは根本的に変わったという点です。
世の中には現場管理を効率化するための民間システムが数多く存在します。しかし、CCUSはそれらとは全く異なります。CCUSは、技能者一人ひとりの処遇が適切であるかを客観的に証明するための、国が定めた唯一のインフラです。
国はこのシステムを、労務費が適正に支払われているかを確認する物差しとして位置づけました。そのため、CCUSへの対応は単なる事務作業ではなく、正当な対価を受け取り、会社を守るための経営戦略と言えます。
今後は、公共工事や民間工事を問わず、技能者の経験や技能に見合った労務費を確保することが強く求められます。
具体的には、契約段階で適正な支払いを約束する仕組みが導入され、不適切な支払いを行う事業者の情報を透明化する取り組みも始まります。 契約書の内容だけでなく、実際にいくら支払われているかという実態までが見られる時代になりました。
労務費の基準を正しく理解し、基準に基づいた契約を結べているか。 元請会社や行政から説明を求められた際に、きちんと回答できるか。 こうした日頃からの備えがあるかどうかが、取引先からの信頼感に直結します。
《出典:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/index.html》
今回の法改正に合わせ、技能者の処遇改善に前向きに取り組む企業を社会が正しく評価する、自主宣言制度が創設されました。これは、技能者に選ばれる企業であることや、発注者から信頼される企業であることを対外的に示すための仕組みです。
人手不足が深刻化する中で、国はシステムの活用と法改正を一体で進め、処遇改善を本格的に後押ししています。実際に取り組んでいる企業がきちんと報われる環境を整えることが、この制度の目的です。
宣言を行うことで、働き手から選ばれやすくなるだけでなく、安定した事業運営や取引先からの高い評価に繋がります。さらに、経営事項審査での加点といった優遇措置も検討されています。
主な取り組み内容としては、システムの活用によって技能を見える形で管理することや、無理のない取引姿勢を持つことなどが挙げられます。いずれも、長く続く安定した取引関係を築くために欠かせない考え方です。
労務費の基準は、下請取引を含めて、技能者の経験や技能に見合った対価を適切に確保するために設けられました。その考え方の中心にあるのが、システムのレベル別年収です。技能者のスキルに応じた、適正な賃金水準の目安として活用されます。
システムのレベル別年収には、二つの水準が設定されています。
ひとつは目標値です。これは技能者の処遇改善をさらに進めるため、適正な賃金として国が支払いを推奨している水準です。
もうひとつが標準値です。もし実際の支払いがこの水準を下回る場合には、請負契約において労務費の不当な削減が行われていないか、行政などによる重点的な確認の対象となります。
建設キャリアアップシステムの対応は、最初からすべてを完璧にする必要はありません。まずは今の状況を整理し、できるところから確実に整えていくことが重要です。たとえば、事業者登録を済ませ、主力となる技能者の登録を行い、現場での運用を開始できている。この状態であれば、元請会社や発注者から状況を聞かれた際にも、適切に対応できていると説明できます。
すべての技能者を一気に登録しようとすると、現場や事務の負担が重くなってしまいます。そのため、まずは次のような順番で進めるのがおすすめです。
第一優先は、現場の中心となる主力技能者です。 第二優先として、資格を保有している技能者を進めます。 応援やスポット対応の技能者については、後回しでも問題ありません。
大切なのは、いきなり手続きに走るのではなく、今どこまで対応できていて、何が足りないのかを整理することです。現状を把握するだけで、漠然とした不安は軽くなります。
行政書士みそらでは、令和7年の建設業法改正を踏まえ、CCUSの登録・運用から、法改正への対応整理、経審や入札を見据えたご相談まで、一貫してサポートしています。
まずは現在の状況をお伺いし、必要な対応を一緒に整理するところからお手伝いいたします。お電話でのご相談も承っておりますので、気になる点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
すべてを自社だけで対応しようとすると、どうしても負担が大きくなりがちです。必要な部分は、専門家に任せるという選択肢もあります。
行政書士みそらでは、CCUSの代行申請を全国対応で行っています。北海道から沖縄まで、地域を問わずご相談いただけますので、遠方の事業者様もご安心ください。
弊所は、建設業に特化した行政書士事務所です。ご準備いただくのは、技能者情報と同意書のみ。煩雑な申請手続きや登録料金のお支払いは、すべて弊所が代行します。
登録後も、法改正や制度変更などの最新情報を踏まえながら、継続してサポートします。お気軽にお問い合わせください。
CCUS対応において大切なのは、制度をすべて把握することではありません。自社に関係するポイントを押さえ、必要な場面で説明できる状態にしておくことです。 この先では、CCUSの基本的な仕組みや、今回の法改正の内容について、もう少し詳しく解説しています。「読むよりも、直接聞いたほうが早い」という場合は、お気軽にお問い合わせください。
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、国土交通省が進めている、建設業の技能者を支えるための仕組みです。
技能者一人ひとりの経験や職歴、保有資格、社会保険の加入状況などを登録・蓄積し、技能や経験を客観的に「見える形」で整理します。これにより、技能者は正当に評価されやすくなり、企業側も人材の状況を把握しやすくなります。
また、技能や経験に応じた処遇につなげることで、働きがいや将来像が見えやすくなり、若い世代が建設業を選びやすくなることも目的とされています。
建設キャリアアップシステムは、全国で着実に利用が進んでいます。技能者の登録者数は累計で約177万人、事業者の登録数も約30万社にのぼり、多くの現場で共通の仕組みとして使われる段階に入っています。
登録だけでなく、実際の現場での運用も広がっています。2025年度の新規登録現場数は累計で10万件を超え、就業履歴の登録件数も年度累計で約5,000万件に達しています。月ごとに見ても、数百万件単位で就業履歴が継続的に記録されています。
これらの数字から分かるのは、CCUSが「形だけの制度」ではなく、現場の実務の中に組み込まれ始めているという点です。今後は、登録の有無だけでなく、就業履歴がきちんと蓄積されているか、実際に運用されているかが、企業評価や制度対応の場面でより重視されていく流れが見えてきます。
建設キャリアアップシステムでは、技能者の資格や就業履歴をもとに、能力評価(レベル向上判定)が行われています。すでに多くの技能者が評価を受けており、令和7年12月31日現在、その人数は全国で144,540人に達しています。
特に、現場の中心を担う中堅・熟練層にあたるレベル3・レベル4の技能者も着実に増えており、レベル評価が「制度上の仕組み」にとどまらず、実際の現場で使われ始めていることが分かります。
能力評価では、技能者の経験年数、保有資格、現場での就業履歴などを総合的に見て、レベル1からレベル4までに区分されます。入職間もない段階がレベル1、一定の経験と技能を身につけた段階がレベル2、現場を支える熟練技能者がレベル3、そして高度な技能やマネジメント力を備えた技能者がレベル4という位置づけです。
《出典:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/index.html》
国は、レベル向上判定を通じて、建設技能者の処遇を段階的に改善していくことを目指しています。能力や経験が正しく評価され、レベルの向上に応じて労務費や賃金が適正に引き上げられる。その結果、働きやすい環境が整い、若い世代が建設業に入りやすくなる――こうした好循環をつくることが、この制度の狙いです。
職種ごとに細かな評価基準は異なりますが、すべての職種に共通して重視されるポイントがあります。それが、保有している資格や講習の受講状況、現場での就業日数、そして職長や班長としての経験日数です。
就業日数や経験日数は、原則として建設キャリアアップシステムに蓄積された就業履歴をもとに評価されます。ただし、制度の普及段階であることを踏まえ、現在は経過措置が設けられています。
CCUSを利用する以前の就業実績については、所属事業者が作成する「経歴証明」によって補完することが可能です。これまで積み重ねてきた経験が、評価されなくなるわけではありません。一方で、今後はCCUSに蓄積された就業履歴が評価の中心になっていくと考えられています。早めに登録し、日々の就業履歴を残していくことが、将来の処遇改善につながっていきます。
《出典:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/index.html》
《出典:国土交通省 https://www.mlit.go.jp/index.html》
国土交通省は、建設業における技能者の処遇改善を進める取組の一環として、CCUSのレベルごとに年収の目安を示しています。今後、建設業界全体として目指されているのは、技能者と適切な雇用契約を結び、技能や経験を正しく評価したうえで、CCUSレベルに応じた賃金を支払っていくという考え方です。
これまで労務費の確保は、見積や契約といった「入口」の議論に偏りがちでした。しかし国は、実際に技能者へ賃金が支払われる「出口」まで含めて、適正な労務費・賃金が確保されているかを重視する姿勢を明確にしています。
業種別のレベル判定基準を把握しておくことは、今後のレベルアップや評価につなげていくうえで大切なポイントです。以下のページでは、業種ごとの判定内容をご確認いただけます。
CCUSでは、技能者情報の登録と能力評価を同時に申し込むことが可能です。対象となるのは、これから新たにCCUSへ技能者登録を行う方で、まだ就業履歴がCCUSに蓄積されていない場合です。この場合、能力評価は、所属事業者が作成する「経歴証明」をもとに行われます。
同時申込ができるのは、CCUS事業者IDを取得している事業者が代行申請を行う場合に限られます。また、能力評価に必要な資格情報などを登録するため、技能者登録は「詳細型登録」での申請が必要です。
最初に登録だけを行い、あとから能力評価を申請することも可能ですが、同時に進めることで、申請手続きの重複を避けられ、手間と時間を大きく減らすことができます。
能力評価は、次のような流れで進みます。まず、事業者が代行申請により、「CCUS技能者情報登録」と「能力評価」を同時に申し込みます。
その後、CCUS上で技能者情報が登録され、能力評価実施団体による審査が行われます。評価が完了すると、技能者本人・所属事業者・代行申請事業者に対して「カード発行のお知らせ」のメールが届きます。評価結果に応じたレベルのCCUSカードは、発行後おおむね1週間程度で、現住所または指定した住所へ簡易書留で届きます。
W点では、企業として社会的な取組がどの程度行われているかが評価されます。その評価項目の一つとして、CCUSの活用状況が位置づけられています。
CCUSの加点は、導入している工事の範囲によって点数が異なります。
公共工事すべてで導入している場合は10点、民間工事を含むすべての現場で導入している場合は15点が加算されます。なお、請負金額500万円未満の軽微な工事や、海外工事、災害時の応急工事などは対象外となります。
W点の加点を受けるためには、単に登録しているだけでは足りません。
対象となる工事について、現場情報や契約情報をCCUSに登録し、カードリーダー等を使って就業履歴が自動で記録される体制が整っていることが求められます。あわせて、経営事項審査の申請時には、所定の誓約書(様式第6号)の提出が必要です。
なお、就業履歴を手入力のみで登録する運用は認められておらず、現場で確実に履歴が残る仕組みづくりが重要になります。
Z点では、これまでの資格や実務経験に加え、CCUSで判定された技能者のレベルも評価に反映されています。具体的には、レベル3の技能者は技能士1級と同等として2点、レベル4の技能者は登録基幹技能者と同等として3点が加点されます。
経営事項審査(経審)の「技術力(Z点)」において、職員様が持つ資格や能力に応じて加算される点数の一覧です。
【6点加算】 1級監理受講者
1級国家資格または技術士法に基づく資格を有し、さらに監理技術者資格者証の交付を受けている方。
【主な資格例】1級建設機械施工技士、1級土木施工管理技士、1級建築士、建設・総合技術管理技術士など
【5点加算】 1級技術者
1級国家資格を有する方(監理技術者資格者証の交付を受けた者を除く)、または技術士法に基づく資格を有する方(同じく除外者を除く)。
【主な資格例】1級建設機械施工技士、1級土木施工管理技士、1級建築士、建設・総合技術管理技術士など
【4点加算】 監理技術者補佐
監理技術者を補佐する資格を有する方。
【主な資格例】1級建設機械施工技士補、1級土木施工管理技士補など
【3点加算】 基幹技能者など
登録基幹技能者講習を修了した方。
【主な資格例】登録電気工事基幹技能者、能力評価基準によりレベル4と判定された方 など
【2点加算】 2級技術者など
技術者を対象とする国家資格の2級を有する方、または技能者を対象とする国家資格の1級を有する方。
【主な資格例】2級建設機械施工技士(第1種~第6種)、2級土木施工管理技士、2級建築士、木造建築士、第1種電気工事士、消防整備士(甲種、乙種)、1級左官技能士、登録基礎ぐい工事試験の合格者、能力評価基準によりレベル3と判定された方 など
【1点加算】 その他技術者
技能者を対象とする国家資格の2級に加え、一定の実務経験を有する方や、実務経験のみで主任技術者として認められる方。
【主な資格例】
第2種電気工事士 + 実務3年
電気主任技術者 + 実務5年
給水措置工事主任技術者 + 実務1年
2級左官技能士 + 実務3年
登録地すべり防止工事試験の合格者 + 実務1年
建築設備士 + 実務1年
指定学科卒業後、3年または5年の実務経験を積んだ主任技術者
実務経験10年の主任技術者など
令和8年7月から、経営事項審査(経審)の評価項目が見直される予定です。
建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度が新たに評価対象に
これまで経審では、CCUSの活用状況(就業履歴の蓄積)が評価の中心でしたが、今後はそれに加えて、技能者を大切にする姿勢そのものが評価される仕組みになります。
新たな加点の対象となる要件
自主宣言による加点を受けるためには、経審の審査基準日が自主宣言日以降であること、そして宣言書および誓約書を提出していることが必要となります。
誓約内容のポイント
誓約では、自主宣言で定めた取組開始日以降、宣言した内容を実際に実施している、または実施していくことを約束します。形式的な宣言ではなく、継続した取組が前提となる点が特徴です。
点数配分の見直し(W点)
今回の改正にあわせて、W点の点数配分も見直される予定です。これまで高い点数が配分されていたCCUSの就業履歴蓄積に関する項目は点数が引き下げられ、その分、自主宣言制度が新たな評価項目として追加されます。
具体的には、民間工事を含むすべての工事でCCUSを導入している場合の加点は、現行の15点から10点へ、公共工事すべてで導入している場合は、10点から5点へ変更される予定です。
新設項目(W1-11)
一方で、新設される「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」の項目では、自主宣言を行っている企業に対し、5点が加点される見込みです。
災害対応力を備えた建設機械の評価強化
今回の改正では、災害時に実際に役立つ建設機械を保有している企業を、より正当に評価する方向性も示されています。令和6年能登半島地震の応急復旧工事で、多くの建設機械が現場で活用された実績を踏まえた見直しです。
今後の見直しの方向性
これまで災害対応力の評価対象とされてきたのは、ショベル系掘削機やブルドーザー、ダンプ、移動式クレーンなど、主に土工や復旧作業に用いられる機械でした。
今後は、単に保有しているかどうかではなく、災害時に実際に稼働し、その状況を客観的に確認できる機械を中心に、加点対象を整理・拡充していく方針が示されています。具体的には、能登半島地震での活用実績を踏まえ、不整地運搬車やアスファルトフィニッシャーを新たに加点対象とすることが検討されています。
社会保険加入に関する評価項目の見直し
今回の改正では、社会保険加入に関する評価項目(W1-1~W1-3)を、経営事項審査から見直す方向が示されています。
なぜ見直されるのか
今回の改正では、社会保険加入に関する評価項目についても見直しが進められています。これまで経審では、雇用保険・健康保険・厚生年金保険のいずれかに未加入の場合、W点で減点を受ける仕組みとなっていました。
しかし、制度改正により、社会保険加入はすでに建設業許可の要件として義務化されています。建設業許可の有効期間は5年であるため、令和7年10月1日以降に許可を保有している事業者は、原則としてすべて社会保険に加入している状態となります。
このように、許可の段階で確認されている内容を、経審で重ねて評価する必要性が薄れてきたことから、今後は社会保険加入の有無に関する評価項目を、経営事項審査から削除する方向で検討が進められています。