建設業における事業承継のポイント

 ここ2~3年、建設業許可業者のお客様から事業承継に関するご相談を頂くことが増えたように感じています。

 

弊所にご相談を頂く主な内容としては、事業承継に伴って経営者、管理者、株主等の構成が変更されるが、このことが建設業許可、経営事項審査、入札参加資格等に影響はあるのか?受注や施工管理に支障は出てきそうか?というようなものが多くなります。

 

事業承継の時間の流れに合わせて手続きをしていきますが、キーマンとなる人物の異動が伴いますので、冷や汗をかく状況に陥ることもあります。もっと早い段階でお客様とこのような話題についての情報共有を密にできれば、と考えているところに、ちょうど良い資料が見つかりましたのでご紹介します。

 

「中小建設企業のための事業承継ガイド」

 一般社団法人建設業振興基金

https://www.kensetsu-kikin.or.jp/management/syoukeiguide/index.html

 

当ガイドでは、建設業における事業承継のポイントとして、次の6項目があげられています。

 

1.建設業許可

2.経営業務管理責任者

3.専任技術者

4.経営事項審査

5.一般競争入札参加資格

6.知的財産権

 

ガイドの中には「うまく引き継げなかった事例」も挙げられています。例えば人の問題が建設業許可要件の問題に影響を及ぼしてしまう事例がそうです。事業承継が上手くいったかどうかは、ある程度の時間が経過してから振り返り、様々な視点から考えてみないと分からないと思いますし、承継したからにはとにかく成功させるためにどうするか?という発想が大事だと思います。

 

私はこのガイドからは失敗事例を参考にした方が良いのではないかと思います。なぜなら上記の6ポイントについては事前によく検討を重ねて手を打てば、高い確率でよい結果を出せるからです。