職人さんの社会保険加入

 

政府が建設業者の社会保険加入対策を強化するようになってから10年ほど経過すると思いますが、国土交通省の発表によると、2020年10月の時点において、企業単位では98%の企業が加入しているとのことです。

 

2020年10月に施行された改正建設業法では、建設業許可は社会保険に加入義務のある業者は加入をしていないと、新規許可、更新許可ともに許可されないことになりました。

 

これにより2020年9月には建設業許可業者のうち社会保険に加入義務のある者の加入率は100%になる見通しです。

 

これまで、建設業の新規許可を希望する業者様からの相談を頂き、打合せを始めようとする際に、もちろん社会保険加入義務のお話は真っ先にしますが、そこで断念される方は皆無です。建設業界には社会保険の加入が浸透したと実感しています。

 

一方、都市部では明らかに経験の少ない、若い一人親方が増えている、との問題が出てきており、国土交通省は「実務経験10年以上」など、適正な一人親方の定義づけを急いでいます。

 

社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインを改正し、いわゆる偽装一人親方の入場制限を強化しようという動きがあります。

 

事業主負担を嫌う経営者と当面の収入減を嫌う職人さんの合意によりこのような空白地帯ができてきてしまったと思いますが、長い目で見るとどうでしょう?

 

私も経営者のひとりとして社員の病気や入院を経験すると、社会保険が社員の生活の安定に役立つことは間違いないと実感します。