行政書士と私の人生(その14)

 

開業してまもなく、馴染みのモータースさんから連絡をいただきました。

行政書士塩﨑事務所にとって、記念すべき最初のご依頼です。

 

行政書士は受託した業務の概要を記した「事件簿」を作成・保存して

おかなければなりません。

今ではクラウドサービス上のデータとして作成・保存していますが、

当時は昔ながらの、紐で綴じる台帳でした。

これは今も私の手元に保存をしてあります。

 

事件簿 平成15年度 受託番号1 自動車抹消登録 

 

私にとっての初めての仕事は、近所のモータースさんからのご依頼で、

陸運事務所で行う、いわゆる”廃車”の手続きでした。

普段は自社でやるところ、ご祝儀替わりに、やらせて頂きました。

 

その次の依頼は、建設業の決算終了変更届です。

こちらは祖父の頃から何十年もお付き合いのある電気工事屋さんです。

 

このお客様の顧問税理士の先生は、この時のご縁で、今でも建設業の

お客様をご紹介していただいています。

 

建設業許可や経営審査の業務は、今では専用のソフトを利用していますが、

当時は行政から提供される書式は紙ベースしかなく、様式通りにパソコンで

データを自作するか、手書きするほかありませんでした。

 

パソコンで自作する腕前もなく、提出期限に間に合わせる必要があるため、

私は支部の事務局へ走り、専用のB4サイズの用紙を購入しました。

作り方のルールも全く知りませんでしたので、手引書も読み込みました。

一夜漬けでだいたい把握し、お客様に説明して必要な資料を頂きました。

 

決算終了変更届は、事業年度が終了してから4か月以内に、事業年度中に

受注、施工した主な工事の内容と決算の内容を提出するものです。

税理士さんが作成した決算報告書を建設業財務諸表に作り変えます。

ここで親戚の税理士事務所でアルバイトさせてもらった経験が活きました。

 

今では私の主な仕事は建設業者様に関するサポートです。

開業したての方から創業100年以上の老舗の業者様まで、一人親方から

社員数百名まで、様々なお客様とのご縁ができましたが、この電気工事業の

お客様こそが第一号です。

 

三つ目の依頼は、友人の自宅を新築するための、農地転用です。

農地転用は独立前の勤務先で何度も経験をさせてもらっていました。

書式も先輩の同業者からデータを頂き、苦もなく作成できました。

 

このように、私の事件簿の最初のページに記載された仕事は、家族、友人、

先輩のご縁がなければ出来なかったものばかりです。

 

「行政書士の仕事はじめたんだって?」

「じゃあこんなこと頼めるかな?」

 

そんな声をかけて頂くことで、塩﨑事務所が”よちよち歩き”を始めたのです。