国土交通省が昭和47年から毎年行っている、全国の建設業許可業者数の調査についてその概要を公表しました。
令和4年3月末現在の建設業許可業者数は、475,293です。一年前と比べて、1,341増加しました。ピーク時(平成12年度末)と比べては20%減少しています。
都道府県別で上位は以下のとおりです。
1.東京都 43,535
2.大阪府 40,042
3.神奈川県 28,576
4.愛知県 27,155
5.埼玉県 23,909
この上位5都府県で許可業者数の34%(3分の1)を占めています。全国的には人口の比率と相関関係にあると思いますが、それ以上に3大都市圏に集中している比率が高いように感じます。
一般と特定の別では以下のとおりです。
一般 450,901 ピーク時(平成12年度末)と比べ22%の減少
特定 47,823 ピーク時(平成17年度末)と比べ6%の減少
特定許可業者数のピークが一般と5年ずれています。また減少幅も一般と比べて少ないですね。
特定建設業には財務要件という厳しいハードルがあることと、許可更新時に要件のチェックが入ることが原因なのかもしれません。いずれ調べてみたいと思います。
取得している業種別では以下のとおりです。
ひとつの業者が複数を取得していてもそのままカウントされます。
1.とび・土工工事業 176,906
2.建築工事業 146,713
3.土木工事業 131,165
前年度に比べて減少した業種は以下のとおりです。
1.建築工事業 ▲1,717
2.造園工事業 ▲ 220
3.さく井工事業▲ 40
「元請の新築の仕事はなかなか取れない」
「規制やトラブルが多くて、元請の新築の仕事はやりたくない」
「庭を作るお客さんは少ない、管理ばかり」
お客様からこんな声はよく伺います。数字にも表れています。
新規許可業者数から廃業業者数を引いた、年度間の増減額は+1,341で、4年連続の増加であると国交省は強調しています。
ただし、新規許可業者数だけをみると▲1,064です。新規の許可は減ったが、それよりも廃業が減ったから増えた、という原因が見てとれます。
コロナ禍で無利子のローンや給付金などの政策により、なんとかお金のやりくりをしている業者さんも多いと思います。
原材料高の高騰や不足そのほか様々なマイナス要因により、今後は許可の維持が難しくなる業者さんが増えるのではないでしょうか。
最後に、令和2年10月から施行された建設業許可を承継するための認可制度の利用件数は、令和3年度の1年間で1,112件でした。種類別でみると、以下のとおりです。
譲渡 947
合併 58
分割 41
相続 81
新しい認可制度は、事業継承をスムーズにするためのものです。
この動きは今後ますます増加していくのではないでしょうか。