建設分野の特定技能の職種が土木・建築・設備ライフラインの3分野に統合される

国交省はこのたび、特定技能の職種を、土木、建築、設備ライフラインの3つに統合しました。

国交省ホームページ

 

建設分野における特定技能は19の業務区分に分けて運用されてきました。

「中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応する」という特定技能制度の趣旨も踏まえて、地方を中心とする多能工の人手不足にも応え、また、すべての建設業に係る業務で受入れが可能となるよう、働く現場の特性に応じた共通の技能の存在という観点から精査を行い、「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分への統合を行いました。

 

これまでの制度では、業務区分が19区分と細分化されており、外国人が就労できる業務の範囲が限定的になってしまいます。また建設業法の業種は29業種ありますが、そのなかで電気工事、塗装工事、防水工事など特定技能に含まれていない職種がありました。

 

今後は、以下のように業務区分を3区分に統合し、ひとりの外国人が就労できる業務の範囲を拡大します。

 

土木

さく井工事、舗装工事、しゅんせつ工事、造園工事、大工工事、とび・土工工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、塗装工事、防水工事、石工事、機械器具設置工事

 

建築

大工工事、とび・土工工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、塗装工事、防水工事、石工事、機械器具設置工事、内装仕上工事、建具工事、左官工事、タイルレンガブロック工事、屋根工事、ガラス工事、板金工事、解体工事、熱絶縁工事、管工事、清掃施設工事

 

設備

板金工事、熱絶縁工事、管工事、電気工事、電気通信工事、消防施設工事、水道施設工事

 

上記のひとつの区分の中においては、ひとりの外国人が複数の職種につくことができます。

 

この改正にあたり、令和4年8月30日時点で特定技能1号の在留資格を有している(建設特定技能受入計画を申請中の者を含む)外国人は、新しい業務区分に対応する1号特定技能外国人とみなされます。またひとつの資格でふたつのの区分が記載されている場合は両方の資格を取得しているものとみなされます。

 

例えば、型枠大工は、新しい区分では土木と建築の両方の職務につくことが出来ます。

他にも、板金は、新しい区分では建築と設備ライフラインの両方の職務につくことが出来ます。

 

ひとつの専門工事に特化した会社の方には影響はないかもしれませんが、いくつかの専門工事を事業にしている会社にとっては、ひとりの外国人に指示できる職務が増えますので、より日本人の職人さんに近い仕事の内容になるのではないでしょうか。ただその分、転職のチャンスも広がることになりますので、特定技能については職人さんの確保に神経を使っていかなくてはならないですね。