経営事項審査(経審)のルール改正により、令和5年1月からエコアクション21の認証取得企業も、ISO14001と同じく環境への配慮の取り組みとして加点の対象となっています。
建設業界ではもともと、エコアクション21の認証取得は入札参加資格における評価の対象としている自治体があるため、格付け対象業種の企業では認識がされていましたが、経審で評価されることで一層、広まることも考えられます。
そこで改めて、建設業がエコアクション21(以下、EA21)に取り組むメリットについて見直しをしてみました。
(参考:エコアクション21中央事務局)
メリット1「環境への取り組み」の登竜門
SDGSの意識が高まってきたし、自社でも何か環境への配慮に取り組んでみよう、と経営判断をした時にEA21のルールに沿って取り組みをすれば間違いなく、エビデンスをもって取り組むことができます。
メリット2「経営状況の改善」にプラス
EA21では自社の身の丈にあった経費の削減や歩留まりの向上につながる取り組みを続けることになるため、自ずと経営状況にプラスに働きます。また会社を上げて目標を掲げることで、意識の統一にも役立ちます。
メリット3「ビジネスチャンス」の拡大
経審での加点、入札参加資格の審査における加点のほかに、金融機関でEA21認証企業に限定した融資制度を用意しているところもあります。また今後は環境への配慮を重視する大手企業との商談において有利に働くことも考えられます。
メリット4「若手の採用」にプラス
いま小学校ではSDGSの授業が必須になっています。子供たちは大人の肌感覚以上に環境保護への意識が高いです。今後は採用活動をする際に、EA21の取り組みが「若者から選ばれやすい企業」の一助となるのではないでしょうか。
EA21は経審のその他の社会性等(W点)で評価がされます
その他の社会性等(W点)は、建設業者の社会的貢献度を評価する項目です。W1からW8まで項目があり、総合評定値(P点)の算出において15%のウエイトを占めます。EA21は、W8(国際標準化機構が定めた規格による登録の状況)にて評価がされます。認証がされている場合、W点で3点の加算がされます。
W1:建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況
①雇用保険加入の有無
②健康保険加入の有無
③厚生年金保険加入の有無
④建設業退職金共済制度加入の有無
⑤退職一時金制度もしくは企業年金制度導入の有無
⑥法定外労働災害補償制度加入の有無
⑦若年技術者及び技能者の育成及び確保の状況
⑧知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況
⑨ワークライフバランスに関する取組の状況
⑩建設工事に従事する者の職業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況
W2:建設業の営業継続の状況
W3:防災活動への貢献の状況
W4:法令遵守の状況
W5:建設業の経理に関する状況
W6:研究開発の状況
W7:建設機械の保有状況
W8:国際標準化機構が定めた規格による登録の状況
■ISO9001登録の有無
■ISO14001登録の有無
■エコアクション21認証の有無
W点の計算式について
審査基準日が令和5年8月14日以降の計算式は以下のとおりです。
~令和5年8月14日以降~
その他評点W=
((W1)+(W2)+(W3)+(W4)+(W5)+(W6)+(W7)+(W8))×(1,750/200)
審査基準日が令和5年8月13日以前の場合はW1の⑩の項目が評価されないため以下の計算式にて算出します。
~令和5年8月13日以前~
その他評点W=
((W1)+(W2)+(W3)+(W4)+(W5)+(W6)+(W7)+(W8))×(1,900/200)
最後に
地元の海岸を自転車で走っている時に、大きな風車(風力発電施設)が海岸沿いにはるか先まで並んで立っていることに気が付いて改めて驚きました。前はもっと少なかったと思うのですが、ここ数年で一気に増えた気がします。
また企業が保有する山林から排出する酸素と吸収する二酸化炭素を取引するというようなニュースも耳にしました。
EA21の取り組みが何かしら金銭的なメリットにも発展する可能性も感じています。
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