行政書士と私の人生26(街のコンビニ)

 

行政書士事務所を法人化が決まり、年明けから9月1日の設立に向けて、私は相方と朧気ながらに話し合っていきました。まず屋号を考えました。個人事務所時代の屋号や好きな色を掛け合わせると「青い空」という共通のイメージが浮かんできました。

 

半日ぐらい頭の中でころがしていると最初に「みそら」という言葉が浮かびました。みそら=美しい空。ひらがなは子供にもわかりやすい、中年以降の方には美空ひばりさんのネームバリューがあり認知度が高い。外国人にも「beautiful sky」 と説明できる。

 

その後も何か月か猶予はありましたが、結局この案以上は思い浮かばず、すんなりと屋号は「行政書士法人みそら」に決まりました。

 

屋号に併せてロゴも作りました。これには市内の静岡文化芸術大学でデザインを専攻している現役の学生さん3名が関わってくれました。3名でコンペをして、最終的に青い空を鳥が飛んでいる今のロゴに決定しました。ロゴと屋号はその後に商標登録もしました。

 

もちろん私はこのロゴが気に入っています。愛車のリアガラスに今もでかでかとステッカーを貼っているほどです。

 

次に事務所の体制ですが、私は従業員が3名おり、建設業とその関係の許認可、農地転用とその関係の許認可がふたつの主な業務でした。相方は相続の関係が得意でした。相続の分野はこれから増やしていきたい、という状況だったので、男手のいる農地転用関係をとりあえず相方に担当してもらうことにしました。

 

農地転用に男手がいる、という理由は、農地や荒れ地などの現場を廻って現況調査をする作業と、夜や週末に関係者のお宅に訪問して署名や印鑑をいただく作業が必要になるからです。女性にできない、ということではありませんが。

 

私は建設業のお客様の対応が主な仕事でしたが、これからは相方の力も借りて相続の相談も受けられるな、と期待をしました。次のステップとしては、入管業務(外国人のビザ関係)が得意な行政書士が加わってくれれば一通りのラインナップが揃うな、と思いました。

 

私はひとりで焦っていました。早く浜松市東区の行政書士事務所といえば「みそら」と言われるようになりたい。目指すイメージは、昼休みには広い駐車場が満車になる、近くのセブンイレブンでした。

 

ふたりで泊りがけの経営計画書を作る合宿型のセミナーにも参加しました。経営理念や方針、日々の業務の進め方などアドバイスを受けてルール化しました。そんなこんなで無事に9月1日付けで設立することができ、顧問税理士、金融機関、事務所のOBOG、などを招待して小さな記念式典を開きました。

 

私は意気揚々とスタートしましたが、その時すでにその後の展開が見えていたのだと思います。私は目を背けていましたが、私の焦りが原因で内部は疲弊をしていました。