昨年から続く建設業担い手3法の“トリ”と言われる改正点が今月12日に施行されました。
今回は「必要な経費の額を著しく下回る請負契約を結ぶことを発注者と受注者の双方に禁止する」内容です。
次のポイントが挙げられます。
① 適正な労務費の目安として政令で「標準労務費」が定められる
② 建設業者には「材料費等記載見積書」を作成する努力義務がある
③ 公共・民間を問わず必要経費を明示することが求められる
④ 原価割れ契約、ダンピング(工期ダンピングも)を禁止
⑤ 労務費を確保したように見せて他の項目を削る行為も禁止
⑥ 違反した発注者に対して許可行政庁(国交省・県)が勧告・公表できる
⑦ 勧告は請負金額が税込500万円以上(建築一式1500万円以上)を対象
上記②で受注者が作成する義務とされた材料等記載見積書には、次の費用項目を明記する必要があるとされています。
① 材料費→資材の調達費
② 労務費→現場の施工に従事する方の給料等(労務単価×歩掛)
③ 法定福利費→社会保険料(厚生年金、健康保険、雇用保険など)のうち事業主が負担する金額
④ 安全衛生経費→保安用具、墜落防止措置など
⑤ 建退共(退職金共済)の掛金
政府は4年くらいかけてこの制度を徹底させる計画です。
今回の改正を直ぐに反映する発注者とそうでない発注者により案件毎の対応に違いが出て、受注者側では業務が混乱することが考えられますが、いまから備えは必要だと思います。
また労務費の算出が適正かどうかの確認手段として、建設キャリアアップシステム(CCUS)の
能力評価(レベル1~4)が再び注目されるように思います。




