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どうなる? 太陽光発電パネルのリサイクル

2014年ごろから、農地や山林を造成して設置する野立式の太陽光発電施設について、農地転用許可や土地利用承認など手続きのご依頼を頂いてきました。

 

太陽光発電パネルについては、寿命が25~30年とされており、固定買取りの制度が始まった2012年を始点とすると、2030年以降になると寿命を迎えた大量の廃太陽光パネルが発生することが確実となっています。

 

資源エネルギー庁の予測では、廃棄される太陽光パネルが、現在は全国で1000トンのところ15年後には280,000トンにまで拡大(なんと280倍)する見込みです。

 

現在この太陽光パネルのリサイクルについては、ガラスと発電層を剥離した後で、ガラス板はガラス素材として再利用され、発電層からシリコンや希少金属を取り出し素材として再利用されます。残りの部材は再利用の用途を開発中とのことです。

 

再利用の技術開発が急がれる一方、今後、問題となりそうなのが廃棄と再利用の財源確保です。資源エネルギー庁は、2022年7月以降に稼働から11年目に入った太陽光発電所を対象に、売電価格から毎年一定割合を徴収して、太陽光パネルを廃棄する際に各事業者がその費用を引き出すことができる仕組みを導入しようとしているようです。詳しい仕組みは分かりませんが、イメージとしてはクルマを買う際にオーナーがリサイクル料金を預けているようなものでしょうか。

                               (日経新聞2020.2.26から一部引用)

 

再利用できない部材はなるべく容量を小さくして、最終的には埋立処分場で処理をするしかありません。全国の最終処分場の受け入れ可能年数は一説には残り十数年と言われていますが、リサイクル技術が進んだおかげで残り年数の減少ペースは緩やかになってきてはいます。しかし10年後に太陽光パネルの廃棄が爆発的に増えた時、果たして最終処分場で受け入れることができるのか?・・・気になるところです。