「廃棄物」とは、不要になった固体や液体のことをいいます。建設工事では、工事の過程で発生するさまざまな副産物がこれに該当します。例えば、建設工事で発生する汚泥や廃材、解体工事で生じる廃油・廃酸・廃アルカリ、焼却などによって発生する燃え殻などが代表的な例です。
一方で、建設工事でよく発生する「土砂」は、原則として法律上の廃棄物には含まれません。ただし、異物が混入している残土や、処理が必要と判断される土砂については、産業廃棄物として扱われる場合があります。そのため、「土砂だから廃棄物ではない」と判断せず、状況に応じた適切な確認が重要です。
建設現場で発生するものでも、「売却できるもの」、「自社で再利用できるもの」は、有価物として扱われ、廃棄物処理法の対象外となります。ただし、有害使用済機器は例外です。判断を誤ると法令違反につながるおそれがあるため注意が必要です。
建設業では、「これは廃棄物に当たるのか」と迷う場面が少なくありません。例えば、河川や港湾工事で発生するしゅんせつ土砂や、造成工事で使用する目的の土砂は、原則として廃棄物には含まれません。ただし、土砂であっても状態や用途によっては廃棄物として扱われる場合がありますので注意が必要です。
廃棄物は、大きく分けて次のように分類されます。
建設工事で発生する代表的な廃棄物です。例えば次のようなものがあります。燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、紙くず、木くず、繊維くず、金属くず、ガラスやコンクリートくず、鉱さい、がれき類、ばいじんなど。
事業活動から出る廃棄物のうち、産業廃棄物に当たらないものです。
例:事務所の紙くず、食堂の生ごみなど。
爆発性・毒性・感染性があり、人や環境に被害を与えるおそれのあるもの。建設業では、アスベスト(石綿)を含む廃材、廃油、廃酸などがこれにあたります。
特別管理産業廃棄物とは、通常の産業廃棄物の中でも特に有害性の高いものを指し、法律によりより厳しい管理基準が定められています。例えば、引火性や腐食性のあるもの、有害物質を含むもののほか、PCBやダイオキシン類などが該当します。また、水銀使用製品や水銀含有ばいじんについても特別な取扱いが必要です。適切な判断と処理が求められるため、該当する可能性がある場合は事前の確認が重要になります。
建設工事で発生した廃棄物は、原則として工事を直接請け負った元請業者が責任をもって処理する必要があります。ただし、建物所有者が残した廃棄物やPCBを含む電気機器などは、所有者が処理責任を負う場合があります。また、排出事業者には廃棄物の適正処理だけでなく、減量化や再利用への取組も求められています。
産業廃棄物の処理を外部の業者へ委託する場合でも、排出事業者の責任がなくなるわけではありません。委託する際は、許可の有無や処理能力、適正に処理されているかを事前に確認することが必要です。万が一、委託先で不適正処理が行われた場合には、排出事業者が原状回復などの責任を問われる可能性があります。
建設工事で発生した産業廃棄物を一定規模以上保管する場合には、許可行政庁への届出が必要になります。また、不適正な処理を発見した場合には、速やかに行政機関へ通報するよう努める義務があります。
事業者が産業廃棄物を自ら処理する場合には、中間処理・最終処分・再生といったすべての工程について、政令で定められた産業廃棄物処理基準に従う必要があります。また、廃棄物が運搬されるまでの間の保管についても、省令で定められた保管基準に従い、生活環境に支障が生じないよう適切に管理しなければなりません。
産業廃棄物の保管場所には、周囲に囲いを設けたうえで、見やすい位置に掲示板を設置する必要があります。掲示板の大きさは縦横60cm以上とされており、保管する廃棄物の種類、管理者の氏名や連絡先、屋外保管の場合には積み上げ可能な高さなどを表示します。
産業廃棄物の保管では、飛散や流出、地下への浸透、悪臭の発生を防ぐための措置が必要です。特に屋外で容器を使用せずに保管する場合には、積み上げ高さの制限や排水対策、底面の防水処理などが求められます。
保管施設では、ねずみやハエ、蚊などの害虫が発生しないよう適切な管理を行う必要があります。保管状態によっては生活環境への影響として指導の対象となることがあります。
石綿(アスベスト)を含む廃棄物や特別管理産業廃棄物は、他の廃棄物と混ざらないよう区分して保管しなければなりません。石綿含有廃棄物については、飛散を防止するため覆いや梱包などの措置が必要になります。
水銀を使用した製品の廃棄物は、他の廃棄物と混ざらないよう区分して保管します。また、容器に入れて密封し、揮発や腐食、高温による影響を防止する措置が必要です。解体工事では照明器具などに含まれている場合があるため注意が必要です。
廃油、PCB汚染物、廃酸・廃アルカリ、廃石綿などの特別管理産業廃棄物については、それぞれの性状に応じた方法で適切に管理する必要があります。例えば、密封や梱包、飛散防止、腐敗防止などの措置が求められます。通常の産業廃棄物よりも厳しい基準が適用されるため、保管方法の判断には注意が必要です。
建設工事で発生した産業廃棄物を収集・運搬する際には、飛散や流出を防止し、周囲の生活環境に影響を与えないよう適切に管理する必要があります。また、収集や運搬の過程で悪臭や騒音、振動などが発生しないよう配慮することも求められています。
産業廃棄物を運搬する車両の外側には、「産業廃棄物収集運搬車」であることを見やすく表示しなければなりません。あわせて、収集運搬業者の名称と許可番号を表示します。個人事業者の場合は氏名の表示が必要となり、屋号のみの表示は認められていません。
解体工事や改修工事で発生する石綿(アスベスト)含有建設廃棄物は、破砕せず、他の廃棄物と混ざらないよう区分して運搬する必要があります。また、運搬中の飛散を防止するため、覆いや梱包などの措置を行います。
建物解体に伴って発生する照明器具などの水銀使用製品廃棄物については、破砕せず、他の廃棄物と混ざらないよう区分して運搬します。万が一破損した場合も、水銀廃棄物として適切に取り扱う必要があります。
PCBを含む機器などの特別管理産業廃棄物は、人の健康や生活環境に影響が生じないよう区分して収集・運搬し、他の廃棄物と混ざらないよう管理する必要があります。廃油やPCB汚染物については、密封や揮発防止、高温防止などの措置を行い、PCB汚染物は形状を変更せず腐食防止にも配慮します。
建設現場での一時保管や運搬途中の積替えを行う場合には、積替え場所に囲いや表示を設ける必要があります。特別管理産業廃棄物については、廃棄物の種類や管理者の情報も表示します。また、廃棄物の飛散や流出、悪臭の発生を防止し、ねずみやハエなどの害虫が発生しないよう適切に管理する必要があります。さらに、石綿含有廃棄物や水銀使用製品廃棄物、特別管理産業廃棄物については、他の廃棄物と混ざらないよう区分して保管します。
建設現場などで産業廃棄物を一時的に保管する場合には、法令で定められた保管基準に従い、生活環境に支障が生じないよう適切に管理する必要があります。積替えを伴わない長期間の保管は原則として認められていません(PCB廃棄物を除く)。また、積替えを行う場合には積替え保管であることを示す表示を設け、保管量についても制限があります。一般的には、1日あたりの平均搬出量の7日分を超えない範囲で管理する必要があります。
建設現場から発生する産業廃棄物を中間処理(再生を含む)する場合には、飛散や流出が起こらないよう適切に管理する必要があります。また、処理の際に悪臭や騒音、振動が発生し、周囲の生活環境に支障が生じないよう配慮が求められます。処理施設を設置する場合も同様に、周囲への影響に配慮する必要があります。
石綿(アスベスト)を0.1%を超えて含む廃棄物は、人の健康や生活環境に被害が生じない方法で処理しなければなりません。また、収集や運搬の過程で破砕や切断を行う場合には、環境大臣が定める方法に従う必要があります。飛散防止のため、覆いや梱包などの措置も求められます。
分別された木くずやがれき類などを再生処理する場合には、処理能力に応じて保管できる期間が制限されています。木くずやがれき類は最大28日、アスファルト破片は最大70日までとされています。
建物の解体などで発生する水銀体温計や水銀血圧計などの水銀使用製品は、破砕せずに回収する必要があります。また、水銀を含むばいじんなどについても同様に適切な方法で回収します。
特別管理産業廃棄物については、人の健康や生活環境への影響を防ぐため、他の廃棄物と区分して処理する必要があります。例えば、廃石綿は溶融設備による処理、廃水銀等は硫化や固型化など環境大臣が定める方法、PCB廃棄物やPCB汚染物は焼却や水熱酸化分解などの方法で処理します。また、感染性産業廃棄物については焼却や溶融、高圧蒸気滅菌、消毒などの方法が用いられます。
中間処理のために廃棄物を保管する場合には、「処分のための保管場所」であることと保管可能な数量を表示する必要があります。また、処理や再生のためやむを得ない期間を超えて保管することはできません。保管できる数量は原則として、1日あたりの処理能力の14日分以内とされています。ただし、建設業廃棄物については例外として、木くずやがれき類は28日分以内、アスファルト破片は70日分以内とされています。
建設工事などで発生した産業廃棄物を埋立処分する場合には、飛散や流出を防止し、周囲の生活環境に支障が生じないよう適切に管理する必要があります。また、悪臭や騒音、振動による影響を防ぐことや、処分施設の設置にあたって生活環境へ配慮することも求められます。
埋立地では、ねずみや蚊、はえなどの害虫が発生しないよう管理しなければなりません。また、埋立処分終了後には表面を土砂で覆う必要があります。なお、安定型産業廃棄物以外については、地中の空間を利用した埋立処分は認められていません。さらに、特別管理産業廃棄物については、人の健康や生活環境に被害が生じない方法で処理する必要があります。
建設業に関係する安定型産業廃棄物には、工作物の新築・改築・除去に伴って発生する廃棄物のうち、廃プラスチック類(自動車破砕物・廃プリント配線板・廃容器包装を除く)、ゴムくず、アスファルト・コンクリート、無機性の固形状のものなどが含まれます。これらを埋立処分する場合には、安定型産業廃棄物とその他の廃棄物を分別して排出し、埋立までの間に他の廃棄物が混入・付着しないよう管理する必要があります。
安定型産業廃棄物の選別処理を行う場合には、手作業やふるい、風力、磁力、電気などの方法により適切に選別する必要があります。また、熱しゃく減量は5%以下とされており、埋立までの間も他の廃棄物が混入・付着しないよう継続して管理することが求められます。
特別管理産業廃棄物については、専用の処分場所で埋立処分を行う必要があります。有害物質を含む場合には、公共水域や地下水と遮断された場所で安全に処理しなければなりません。また、燃え殻やばいじん、汚泥、あるいはそれらを処理した廃棄物で、有害物質の基準に適合しないものについても、特別管理産業廃棄物と同様の方法で処理する必要があります。
建設業で発生する安定型産業廃棄物とは、性状が安定しており、最終処分場で安全に埋立処分できる廃棄物を指します。ただし、水銀を使用した製品廃棄物は対象外とされています。具体的には、次の5種類が該当します。
廃プラスチック類のうち、自動車や電気機械器具の破砕物、鉛を含む廃プリント配線板、洗浄されていない廃容器包装などは対象外とされています。
建設工事に伴って発生するゴムくずが該当します。
金属くずのうち、自動車などの破砕物、廃プリント配線板、鉛蓄電池の電極や鉛製の管・板、廃容器包装などは対象外とされています。
これらのうち、自動車などの破砕物、廃ブラウン管の側面、廃石膏ボード、廃容器包装などは対象外とされています。
建設工事に伴って発生するコンクリート片やアスファルト片などが該当します。
建設現場などから発生する産業廃棄物を埋立処分する場合は、廃棄物の種類ごとに適切な処理方法が定められています。ここでは、建設業に関係の深い主な廃棄物の処理・埋立基準をご紹介します。
陸上埋立と水面埋立で処理方法が異なります。
陸上埋立の場合
焼却または熱分解を行うか、含水率85%以下まで脱水する必要があります。
(有機性汚泥については腐敗物の基準が適用されます)
水面埋立の場合
無機性汚泥は処理不要ですが、有機性汚泥は焼却または熱分解が必要です。
中空の状態を避け、最大径15cm以下に破砕・切断して埋立します。または、溶融・焼却・熱分解などの中間処理を行います。
中間処理を行わず、そのまま埋立が可能です。
最大径15cm以下に破砕・切断したうえで、焼却または熱分解処理を行います。
石綿含有物を除き、中間処理を行わずそのまま埋立が可能です。
運搬時や埋立時に飛散しないよう、水分を加える、固形化するなどの措置を行います。
埋立処分場の指定された区域において、飛散・流出を防ぐため、土砂で覆うなどの措置を行って埋立します。
廃棄物の種類や性状に応じた前処理を行い、専用の処分場で埋立処分を行う必要があります。
建設現場や事業場で、有害物質を含む特別管理産業廃棄物を発生させる場合は、法律に基づき、事業場ごとに特別管理産業廃棄物管理責任者を設置する必要があります。また、特別管理産業廃棄物の発生状況については、市区町村長への報告が必要となる場合があります。
特別管理産業廃棄物管理責任者は、取り扱う廃棄物の種類に応じて資格・経験要件が定められています。
次のいずれかに該当する方が対象となります。
・医師、歯科医師、薬剤師、獣医師
・保健師、助産師、看護師
・臨床検査技師、衛生検査技師、歯科衛生士
・環境衛生指導員として2年以上の勤務経験
・医学、薬学、保健学、衛生学、獣医学などの課程修了者
※建設業では通常、感染性産業廃棄物を扱うケースは多くありません。
次のいずれかに該当する必要があります。
・環境衛生指導員として2年以上勤務した方
または
・廃棄物処理に関する技術的実務経験がある方
(必要年数の目安)
大学(理学・工学・農学)……2年以上
大学(その他学部)…………3年以上
高専・短大(理工農系)……4年以上
高専・短大(その他)………5年以上
高校(土木・化学等)………6年以上
高校(関連学科以外)………7年以上
その他…………………………10年以上
特別管理産業廃棄物管理責任者は、適正処理を確保するために次の業務を行います。
排出状況の把握
現場で発生する特別管理産業廃棄物の種類や量を把握します。
処理計画の立案
適切な保管方法や処理方法を計画します。
適正処理の確保
・保管状況の確認
・委託業者の選定
・適正な委託契約の実施
・マニフェストの交付・保管
など、法律で定められた手続きを適切に管理します。
建設業などで大量の産業廃棄物を発生させる事業場を運営している場合、事業者は多量排出事業者として、産業廃棄物の減量や適正処理に関する処理計画を作成し、許可行政庁へ提出する義務があります。また、処理計画の実施状況についても翌年度に報告する必要があります。提出された計画および実施状況は、インターネットで公表されます。
次のいずれかに該当する事業場が対象となります。
・前年度の産業廃棄物の発生量が 1,000トン以上
・前年度の特別管理産業廃棄物の発生量が 50トン以上
処理計画では、主に次の内容を整理して作成します。
・計画期間
・当該事業場で行っている事業の内容
・産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の管理体制
・廃棄物の排出抑制に関する取組
・廃棄物の分別方法
・自社で行う再生利用の内容
・自社で行う中間処理の内容
・自社で行う埋立処分や海洋投入処分の内容
・処理を委託する場合の管理方法
翌年度の報告では、次の内容を整理して提出します。
・前年度に設定した目標値の達成状況
・処理計画の実施状況
建設現場などで発生した産業廃棄物を自社で処理できない場合は、法律に基づき、許可を持つ業者へ処理を委託することができます。ただし、委託した廃棄物が契約どおり適正に処理されたかどうかは、排出事業者自身が責任をもって確認する必要があります。
産業廃棄物の処理は、次の許可を持つ業者に委託します。
運搬業者
産業廃棄物の収集運搬業の許可を持ち、運搬が事業範囲に含まれている業者
処分・再生業者
産業廃棄物の処分業の許可を持ち、処分または再生が事業範囲に含まれている業者
※許可を持たない業者への委託は原則としてできません。
産業廃棄物の処理を委託する場合は、書面で契約を締結し、契約終了後も5年間保存する必要があります。契約書には、主に次の事項を記載します。
・廃棄物の種類および数量
・運搬先や処分場所、処理方法、処理能力などの処理内容
・契約の有効期間および委託料金
・受託者の許可の範囲
また、積替え保管を行う場合は、その場所や保管できる廃棄物の種類、保管量の上限を記載します。安定型産業廃棄物については、混合制限の内容も必要です。さらに、廃棄物の性状(腐敗・揮発の可能性や石綿・水銀など有害物質の有無)、受託者による報告方法、契約解除時の未処理廃棄物の取扱い、性状が変化した場合の情報伝達方法についても定めます。なお、契約書には受託者の許可証の写しを添付する必要があります。
特別管理産業廃棄物を委託する場合は、通常の委託契約に加えて追加の対応が必要になります。まず、委託前に廃棄物の種類・数量・性状・荷姿・取扱い上の注意事項などを、書面で受託者へ通知する必要があります。また、再委託が行われる場合には事前に書面による承諾が必要となり、その写しを5年間保存します。なお、特別管理産業廃棄物の再委託は原則として禁止されています。
建設現場で排出された産業廃棄物や特別管理産業廃棄物を処理業者へ委託する場合は、事前に契約を締結し、適正な処理が行われるよう確認する必要があります。
排出する廃棄物が特別管理産業廃棄物に該当するかどうかを確認します。必要に応じて、溶出試験などにより性状を確認します。
廃棄物の種類や性状、処理方法に応じて、適切な処理業者を選定します。
委託予定の収集運搬業者や処分業者から許可証の写しを受け取り、許可内容を事前に確認します。主な確認事項は次のとおりです。
・業の区分(産業廃棄物か特別管理産業廃棄物か、収集運搬か処分か)
・許可を受けている区域(収集運搬を委託する場合)
・取り扱い可能な廃棄物の種類
・処理施設の種類および処理能力(処分を委託する場合)
・許可条件および許可期限
また、可能であれば実地調査により処理施設の状況や処理能力を確認し、その結果を記録として保存しておくことが望ましいとされています。
処理委託基準で定められた条項を盛り込み、委託契約書を作成します。収集運搬業者と処分業者が異なる場合は、それぞれ個別に契約を締結します。
中間処理を行う場合は、処理後の廃棄物がどのように最終処分されるかを事前に確認しておく必要があります。
建設現場で排出された産業廃棄物を処理業者に引き渡す際は、適正処理を確実に行うため、排出事業者がマニフェストを交付し、その後の処理状況を確認する必要があります。
排出事業者は、産業廃棄物を引き渡す際に産業廃棄物管理票(マニフェスト)を収集運搬業者へ交付します。また、石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、その旨をマニフェストに明記する必要があります。
産業廃棄物を引き渡した後は、収集運搬業者および処分業者から返送されるマニフェストの写しにより、最終処分まで適正に処理されたことを確認します。確認後は、マニフェストの写しを5年間保存する必要があります。
電子マニフェスト制度とは、紙のマニフェストの交付に代えて、電子情報処理システムを利用し、情報処理センターへ廃棄物情報を登録する制度です。この制度を利用することで、マニフェスト業務の効率化や保存管理の簡素化が図れます。
電子マニフェストを利用するためには、排出事業者・収集運搬業者・処分業者のすべてが電子マニフェストに対応している必要があります。また、令和2年4月1日以降は、前々年度の特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場については、運搬・処分を委託する際に電子マニフェストの使用が義務付けられています。
電子マニフェストを導入すると、事務負担の軽減や法令遵守の強化など、さまざまなメリットがあります。
① 事務効率の向上
パソコンやスマートフォンから登録・報告ができるため、紙マニフェストの保存が不要になります。また、廃棄物の処理状況を簡単に確認でき、データ加工もしやすくなることから、人件費の削減にもつながります。
② 法令遵守の支援
記載漏れや誤記を防止できるほか、処理終了確認期限が自動で通知されるため、確認漏れの防止にも役立ちます。
③ データの透明性の向上
電子データとして管理されるため偽造が難しく、信頼性が高まります。また、情報処理センターによって情報が適切に管理・保存されます。
④ 行政報告の簡素化
登録された情報は情報処理センターから行政へ報告されるため、排出事業者による報告の負担が軽減されます。
お問い合わせ先
電子マニフェスト制度の詳細については、日本産業廃棄物処理振興センターへお問い合わせください。
電話:03-5275-7113
ホームページ:https://www.jwnet.or.jp/
産業廃棄物を処理業者へ委託する場合は、原則としてマニフェストの交付が必要です。ただし、次のような場合には例外として、マニフェストの交付が不要になります。
市町村や都道府県に、産業廃棄物の収集運搬や処分を委託する場合は、マニフェストは不要です。
古紙・ガラスびん・古繊維・くず鉄など、再生利用のみを目的とした廃棄物について、それらだけを扱う業者へ委託する場合は、マニフェストは不要です。
次のような環境大臣の認定を受けた業者に、認定された廃棄物の処理を委託する場合は、マニフェストは不要です。
・再生利用を行う認定業者
・広域処理を行う認定業者
国に産業廃棄物の収集運搬や処分を委託する場合は、マニフェストは不要です。
産業廃棄物の処理施設(特定処理施設)を設置している事業者は、処理中の廃棄物や処理に伴って発生する汚水・気体などにより、生活環境に支障が生じた場合、またはそのおそれがある場合には、速やかに対応する必要があります。
生活環境への支障を取り除くため、または支障の発生を防ぐため、直ちに必要な応急措置を行います。
事故の状況や実施した措置の内容について、速やかに許可行政庁へ届け出る必要があります。
事故時の措置が求められる主な特定処理施設には、次のようなものがあります。まず、廃棄物処理法第15条に規定される産業廃棄物処理施設が対象となります。また、焼却炉のうち、処理能力が1時間あたり50kg以上、または火床面積が0.5㎡以上のものも該当します。さらに、次のような一定規模以上の処理設備も対象となります。
・処理能力1t/日以上の設備
(熱分解設備、乾燥設備、廃プラスチック類の溶融設備、固形燃料化設備、メタン回収設備)
・処理能力1m³/日以上の設備
(廃油蒸留設備、特別管理産業廃棄物である廃酸・廃アルカリの中和設備)
建設業の事業場で産業廃棄物を自ら処理する場合は、処理内容を帳簿に記録し、5年間保存することが法律で義務付けられています。帳簿の作成が必要となる主な事業者は、次のとおりです。
・産業廃棄物処理施設や焼却施設を設置している事業者
・特別管理産業廃棄物を発生させる事業者
・事業場外で自ら廃棄物の運搬や処分を行う事業者
処理施設で産業廃棄物を処分する場合は、帳簿に次の内容を記録します。
・処分年月日
・処分方法ごとの処分量
・処分後に他の場所へ持ち出した量(埋立処分・海洋投入処分を除く)
また、石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物を含む場合は、その内容についても記録が必要です。
事業場外へ自ら運搬や処分を行う場合は、運搬と処分のそれぞれについて帳簿への記録が必要になります。運搬を行う場合は、廃棄物を生じた事業場の名称と所在地、運搬年月日、運搬方法および運搬先ごとの運搬量などを記録します。積替え・保管を行う場合は、その場所ごとの搬出量についても記録が必要です。また、処分を行う場合は、処分を行った事業場の名称と所在地、処分年月日、処分方法ごとの処分量、処分後に他の場所へ持ち出した量(埋立処分・海洋投入処分を除く)を記録します。なお、石綿含有産業廃棄物や水銀使用製品産業廃棄物を含む場合は、処理区分ごとに内容を明確に記録する必要があります。
産業廃棄物を他社の代わりに収集運搬や処分する場合は、原則として許可が必要です。一方で、自社で発生した廃棄物を自社で運搬・処分する場合は許可は不要です。
次のように、他社の産業廃棄物を収集運搬または処分する場合には、収集運搬業や処分業の許可が必要になります。例えば、他社の産業廃棄物を運搬する場合や、処分を行う場合が該当します。許可は業務を行う地域ごとに取得する必要があります。通常は都道府県知事の許可が必要ですが、政令指定都市の区域内で積替え・保管を行う場合や、その区域内のみで業務を行う場合、または処分施設が政令指定都市内にある場合には、政令指定都市の許可が必要になります。なお、区域内を通過するだけの場合は許可は不要です。
次の場合は許可は不要です。
・自社で発生した産業廃棄物を自社で運搬・処分する場合
・古紙やガラスびんなど、再生利用を目的とした廃棄物のみを扱う場合
・国の認定を受けた再生利用や広域処理を行う事業者
・製造・販売事業者が、自社製品が廃棄物になったものを広域処理する場合
産業廃棄物の処理業には、扱う廃棄物の種類や業務内容に応じて、次の4種類があります。
・産業廃棄物収集運搬業
(産業廃棄物の収集・運搬を行う)
・産業廃棄物処分業
(産業廃棄物の中間処理・最終処分を行う)
・特別管理産業廃棄物収集運搬業
(特別管理産業廃棄物の収集・運搬を行う)
・特別管理産業廃棄物処分業
(特別管理産業廃棄物の処分を行う)
これらの業務を行うには、それぞれに対応した許可が必要です。
産業廃棄物処理業の許可を申請する場合は、事前に講習会を修了しておく必要があります。この講習会は、次の場合にも必要になります。
・新規申請
・更新申請
・事業範囲の変更申請
講習会は、申請内容に関係する責任者の方が受講します。
法人の場合:代表者、業務を行う役員、または事業場の代表者のいずれかの方が受講します。
個人の場合:申請者本人、または事業場の代表者が受講します。
産業廃棄物処理業の許可は、事業を適切かつ継続して行える体制が整っていない場合は取得できません。主な例は次のとおりです。
・施設や申請者の能力が、法律や省令で定められた基準に適合しない場合
・心身の状況により業務を適切に行えない場合
・破産手続き中である場合
・刑罰や行政処分を受けてから一定期間が経過していない場合
・過去に廃棄物処理業や浄化槽清掃業の許可を取り消されたことがある場合
・暴力団関係者である場合
・不正または不誠実な行為を行うおそれがある場合
・未成年者で、法定代理人が欠格要件に該当する場合
法人で申請する場合は、役員や使用人の中に欠格要件に該当する人がいると、許可を取得できません。ここでいう対象者は次のとおりです。
・役員(実質的に業務執行や経営に関与する取締役・執行役など)
・使用人(本店・支店・処理施設などで契約締結権限を持つ責任者)
法人の役員が過去に軽微な欠格要件に該当していた場合でも、その役員を変更することで、5年経過前でも許可を取得できる場合があります。
優良産業廃棄物処理業者認定制度は、産業廃棄物を適正かつ安定的に処理できる優良な処理業者を都道府県などが認定する制度です。認定を受けた事業者は、信頼性の高い処理業者として位置づけられます。
認定を受けると、次のようなメリットがあります。
・許可の有効期間が5年 → 7年に延長される
・許可証に優良マークが表示される
・優良事業者として全国に情報公開される
認定を受けるためには、次のような基準を満たす必要があります。
・過去5年間に事業停止命令などの不利益処分を受けていないこと
・法人情報や産業廃棄物の処理状況を一定期間公開していること
・ISOやエコアクション21などの環境認証を取得していること
・電子マニフェストを利用できる体制があること
・自己資本比率や経常利益などの財務状況が基準を満たしていること
・税金、社会保険料、労働保険料の滞納がないこと
この制度は処理業者が任意で取得する制度であり、認定を受けていない処理業者でも業務を行うことは可能です。ただし、優良認定を受けている処理業者は、法令順守や財務状況など一定の基準を満たしているため、委託先を選ぶ際の参考になります。
産業廃棄物処理業者は、法律に基づき適正に処理を行うため、さまざまな基準を守る必要があります。主な内容は次のとおりです。
処理業者は、産業廃棄物や特別管理産業廃棄物を処理する際、政令で定められた処理基準を守る必要があります。また、中間処理業者が処理後の廃棄物を他の業者へ委託する場合も、委託基準に従わなければなりません。なお、中間処理後の廃棄物を自社で運搬・処分する場合は、それぞれの許可が必要になります。
処理業者は、委託された廃棄物の処理を、原則として他の業者へ再委託することはできません。ただし、次の場合に限り認められます。
・委託者の書面による承諾がある場合
・再委託先が法令の基準を満たしている場合
・省令で定められた例外に該当する場合
処理業者は、自分の許可名義を他人に貸して処理業を行わせることはできません。
処理業者は、排出事業者から交付された産業廃棄物管理票(マニフェスト)を適切に管理する必要があります。また、マニフェストを受け取る前に処理を開始することはできません。
電子マニフェストを利用している場合は、処理完了後、省令で定められた期間内に情報処理センターへ報告する必要があります。
処理を適正に行うことが難しくなった場合、またはそのおそれがある場合は、10日以内に委託者へ通知し、その写しを5年間保存する必要があります。
産業廃棄物処理業者は、収集・運搬や処分の内容について帳簿を事業場ごとに備える必要があります。帳簿は1年ごとにまとめて作成し、5年間保存します。
次の内容を記録します。
・収集、運搬を行った年月日
・管理票(マニフェスト)の交付者名、交付年月日、交付番号
・受入先ごとの受入量
・運搬方法および運搬先ごとの運搬量
また、積替え・保管を行った場合は、その場所ごとの搬出量も記録します。
次の内容を記録します。
・受入れまたは処分の年月日
・管理票(マニフェスト)の交付者名、交付年月日、交付番号
・受入先ごとの受入量
・処分方法ごとの処分量
・処分後に他の場所へ持ち出した量(埋立処分・海洋投入処分を除く)
運搬を他の業者へ委託した場合は、次の内容を記録します。
・委託年月日
・受託者の名称、住所、許可番号
・管理票(マニフェスト)の交付年月日、交付番号
・運搬先ごとの委託量
処分を他の業者へ委託した場合は、次の内容を記録します。
・委託年月日
・受託者の名称、住所、許可番号
・管理票(マニフェスト)の交付年月日、交付番号
・委託した処分内容および委託量
石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等を扱う場合は、それぞれの区分ごとに内容を明確に記録する必要があります。
産業廃棄物の収集運搬業や処分業を行う場合は、事業の開始前から開始後まで、さまざまな申請や届出が必要になります。主な手続きは次のとおりです。
処理業を始める前には、許可行政庁の許可を受ける必要があります。許可を受けないまま事業を行うことはできません。
許可取得後も、次のような手続きが必要になります。
・許可の更新申請(有効期限が切れる前に申請)
・事業範囲を変更する場合の変更許可申請
・役員や株主など申請内容に変更があった場合の変更届(30日以内)
・欠格要件に該当した場合の届出(2週間以内)
・許可証を紛失・破損した場合の再交付申請
施設を運用する場合は、次の報告が必要になります。
・市外で発生した産業廃棄物を受け入れる場合の搬入届出(搬入予定日の30日前まで)
・処理施設で事故が発生した場合の事故報告
毎年の処理実績は、次の期間でまとめて報告します。4月1日から翌年3月31日までの実績を整理し、6月30日までに提出します。
事業を廃止する場合や、事業形態を変更する場合は、それぞれ手続きが必要になります。
・事業を廃止する場合は廃止届の提出が必要です。
・個人事業から法人へ変更する場合、法人から個人事業へ変更する場合は、新たに許可の取得が必要になります。
産業廃棄物処理施設を設置する場合は、事前に許可行政庁の許可が必要です。以下のような施設を設置する場合が対象となります。
次の規模を超える場合は許可が必要です。
・脱水施設:10m³/日を超えるもの
・乾燥施設:10m³/日を超えるもの
※天日乾燥施設は100m³/日を超えるもの
また、焼却施設は次のいずれかに当てはまる場合に対象となります。
・5m³/日を超えるもの
・200kg/時以上のもの
・火格子面積が2㎡以上のもの
次の規模を超える場合は許可が必要です。
・破砕施設:5t/日を超えるもの
また、焼却施設は次のいずれかに当てはまる場合が対象です。
・100kg/日を超えるもの
・火格子面積が2㎡以上のもの
・破砕施設:5t/日を超えるもの
ただし、自社工事のために使用する移動式破砕施設は対象外です。
廃石綿等や石綿含有産業廃棄物の溶融施設は、すべて許可対象です。
処理能力(1日あたり)は次の方法で計算します。
(1時間あたりの公称能力)× 8時間
ただし、実際の稼働時間が8時間を超える場合は、その実稼働時間で計算します。
産業廃棄物を最終的に埋立処分する施設(最終処分場)を設置する場合は、事前に許可行政庁の許可が必要です。最終処分場は、処分する廃棄物の種類によって3つに分かれます。
この処分場はすべて許可が必要です。
この処分場もすべて許可が必要です。
※ただし、水面埋立地は対象外です
この処分場もすべて許可が必要です。
※水面埋立地は、環境大臣が指定した区域のみ設置可能です
最終処分場は、設置した後も継続的な管理が必要になります。具体的には次のような義務があります。
・5年3か月ごとに許可行政庁の検査を受ける
・施設が構造基準に適合しているか確認する
・維持管理計画や管理状況をインターネット等で公表する
産業廃棄物処理施設を設置する場合は、事前に許可行政庁の許可が必要です。許可申請では、施設が周辺環境へ与える影響を確認するため、生活環境影響調査書を提出します。
施設の設置によって周囲の生活環境に問題が生じないかを確認するための調査です。施設の種類や規模に応じて、次のような項目を調査します。
・施設の種類・規模・廃棄物の種類に応じて選定した調査項目
(大気質、騒音、振動、悪臭、水質、地下水など)
・調査項目の現状と把握方法
・設置による影響を予測するための自然条件・社会条件の現状と把握方法
・設置によって予測される影響の程度・範囲・予測方法
・調査項目ごとの影響分析結果
・調査対象に含めなかった項目とその理由
・その他、影響把握のための参考事項
施設の設置許可を受けるためには、次の条件を満たす必要があります。
① 技術基準に適合していること
省令で定められた構造・設備の基準に沿った計画であること
② 生活環境への配慮がされていること
周辺地域の生活環境を守るための対策が、「設置計画」と「維持管理計画」に反映されていること
③ 継続して運営できる能力があること
施設の設置や維持管理を適切に行える体制が整っていること
④ 欠格要件に該当しないこと
申請者や役員などが、法律で定められた許可を受けられない条件に該当していないこと
施設が集中しすぎている地域では、大気環境基準の確保が難しいと判断された場合、基準を満たしていても許可されないことがあります。
産業廃棄物を排出する事業場では、産業廃棄物処理責任者を選任する必要があります。処理責任者は、廃棄物が適正に処理されるよう管理する役割を担います。
例えば、次のような業務を担当します。
・事業場で発生する産業廃棄物の処理全体の管理
・施設を設置している場合の管理運営
・処理を他の業者へ委託する場合の確認・管理
・廃棄物処理に関する記録の作成・保存
・行政庁への報告や連絡対応
技術管理者は、産業廃棄物処理施設の維持管理や運転を技術的に管理する責任者です。施設が適切に運転されるよう設備の管理を行うほか、作業員への指導や監督も担当します。
産業廃棄物処理施設の内容を変更する場合は、変更の内容に応じて「変更許可申請」または「変更届出」が必要になります。
処理能力や処理方式など、施設の性能や生活環境への影響に関係する変更を行う場合は、変更許可申請が必要になります。例えば、処理する廃棄物の種類の変更、処理能力を10%以上増やす場合、施設の位置や処理方式の変更、主要設備や排ガス・排水設備の変更などが該当します。また、維持管理計画の変更で生活環境への影響が増える場合も変更許可申請が必要になります。
施設の性能や生活環境への影響が小さい変更については、変更届出で対応できる場合があります。例えば、施設関係者の氏名や住所、代表者の変更、搬入・搬出時間の変更、焼却施設の灰や汚泥の処分方法の変更、施設の休止・再開・廃止などがこれにあたります。
施設の設置者が変わる場合には、別途手続きが必要になります。
施設を譲り受けたり借り受けたりする場合は許可申請が必要です。法人の合併や分割により設置者の地位を引き継ぐ場合は認可申請が必要となります。また、設置者が亡くなり相続人が地位を承継する場合は届出が必要になります。変更の内容によって必要な手続きが異なるため、計画段階で確認しておくことが重要です。
産業廃棄物処理施設を設置した後も、施設の状況に応じて各種申請や届出、報告が必要になります。主な手続きは次のとおりです。
処理施設を新たに設置する場合や、施設の内容を変更する場合には、事前に許可申請が必要になります。
・設置許可申請(提出期限:事前)
・変更許可申請(提出期限:事前)
また、許可を受けた施設が完成した後は、使用前検査を受ける必要があります。
・使用前検査申請(提出期限:竣工後)
施設の軽微な変更や、施設の休止・再開・廃止を行う場合には届出が必要です。
・軽微変更等届出(提出期限:遅滞なく)
最終処分場については、埋立終了時や施設廃止時に特別な手続きが必要になります。
・埋立処分終了届出(提出期限:終了日から30日以内)
・最終処分場廃止確認申請(提出期限:事前)
施設の設置者が変わる場合には、内容に応じた手続きが必要になります。
・譲受け・借受け許可申請(提出期限:事前)
・合併・分割認可申請(提出期限:事前)
・相続届出(提出期限:相続日から30日以内)
設置者が欠格要件に該当した場合や、施設で事故が発生した場合には速やかな対応が必要です。
・欠格要件該当届出(提出期限:該当後2週間以内)
・事故時措置届・報告(提出期限:速やかに)
産業廃棄物の処理が適正に行われているかを確認するため、行政庁は立入検査や報告徴収を行うことがあります。また、法令違反や生活環境への影響が認められた場合には、段階的に指導や命令、行政処分が行われます。
行政庁は必要に応じて事業場や処理施設に立ち入り、帳簿や書類の内容、施設の状況、処理方法などについて確認を行います。また、処理方法や処理量、施設の構造などについて報告を求められることもあります。
処理方法が法令や自治体の指導基準に適合していない場合には、文書による改善指導が行われます。
違法な処理方法が確認された場合には、期限を定めて適正な処理方法へ改善するよう命令が出されることがあります。
処理方法が生活環境に影響を与えるおそれがある場合には、支障の除去や発生防止のための措置命令が出されることがあります。この命令は処理業者だけでなく、違反委託を行った委託者や管理票(マニフェスト)を適切に使用しなかった者などに対しても行われることがあり、場合によっては排出事業者である建設業者にも及ぶことがあります。
許可の取得に不正があった場合や法令違反が認められた場合には、許可行政庁が許可の取消しや事業の全部または一部の停止などの行政処分を行うことがあります。産業廃棄物の処理は、委託した場合でも排出事業者の責任が問われることがあります。適正な管理体制を整えておくことが重要です。
廃棄物処理業を行う際は、法律で定められた許可や基準を遵守する必要があります。違反した場合には、その内容に応じて拘禁刑や罰金などの罰則が科されることがあります。また、法人の場合には個人より重い加重罰が定められています。違反の内容ごとに、主な罰則の区分は次のとおりです。
無許可営業や不法投棄など、廃棄物処理制度の根幹に関わる違反には、特に重い罰則が定められています。法人の場合は、違反内容に応じて最大3億円以下の加重罰が科されることがあります。例えば次のような行為が該当します。
・無許可で廃棄物処理を行う
・不正な手段で処理業の許可を取得する
・許可を受けずに事業範囲や施設を変更する
・改善命令や措置命令に従わない
・許可のない者に処理を委託する
・名義貸しによって他人に処理を行わせる
・無許可で処理施設を設置する
・廃棄物の不法投棄や焼却を行う
・指定有害廃棄物を基準に従わず処理する
処理委託や施設運用に関する重要な基準違反についても、重い罰則が設けられています。法人には300万円以下の加重罰が科されます。例えば次のようなケースです。
・委託基準に違反した処理
・再委託の禁止違反
・改善命令への不対応
・施設使用停止命令への違反
・無許可で施設を譲受・借受した場合
・許可なしの廃棄物輸入
・不法目的による収集運搬
廃棄物の輸出については事前確認制度があり、これに違反した場合にも罰則があります。法人には200万円以下の加重罰が科されます。例えば、確認を受けずに輸出の準備を行った場合などが該当します。
産業廃棄物の処理状況を確認するための管理票制度は、排出事業者・収集運搬業者・処分業者すべてに関係する重要な制度です。違反した場合には罰則の対象となります。例えば次のような行為が該当します。
・管理票を交付しない、または虚偽記載を行う
・管理票の写しを期限内に送付しない
・必要事項を記載せず送付する
・保存義務に違反する
・処理をしていないのに処理済みとして交付する
各種届出や施設管理に関する義務違反についても罰則が定められています。法人には50万円以下の加重罰が科されます。例えば次のようなケースです。
・欠格要件該当の届出を行わなかった
・使用前検査を受けず施設を使用した
・災害時の改善命令に従わなかった
・処理困難時の通知義務違反
・土地形質変更の届出違反
・事故時の応急措置命令違反
帳簿管理や技術管理者の設置など、日常的な管理義務に関する違反についても罰則があります。法人には30万円以下の加重罰が科されます。例えば次のような行為が該当します。
・帳簿の未整備または虚偽記載
・施設の休止・再開などの届出違反
・定期検査への不対応
・維持管理記録の未整備
・技術管理者の未設置
・立入検査の拒否や妨害