笑いながら怒る人

 『 笑いながら怒る人 』

 

大河ドラマで重厚な役柄を演じている、俳優の竹中直人さん。ただ40歳代以降の方なら、元々はお笑いだよね?と記憶していらっしゃるのではないかと思います。私もそのひとりです。

 

あらためて調べてみましたら、やはり芸能界デビューのきっかけは素人の勝ち抜き番組でした。形態模写や物まねです。当時、私がくぎ付けになった芸が「笑いながら怒る人」でした。

 

文字通り、顔はニコニコ笑い首を振りながら「なんだ、このやろう!」などと怒鳴るのです。言葉では真剣に怒っているのですが、顔が笑っているので全然伝わらないのがツボでした。

 

メラビアンの法則、というのをご存じでしょうか。感情や態度について矛盾したメッセージが発せられた時、人の受け止め方を実験した、メラビアンという研究者が提唱した法則です。

 

話の内容などの「言語」による情報     7%

口調や話の早さなどの「聴覚」による情報 38%

見た目などの「視覚」による情報     55%

 

他人からのメッセージをどう受け止めるかの決め手になるのは、1番が「視覚」2番が「聴覚」であり「言語」はそう重要ではないようです。竹中直人さんの「笑いながら怒る人」は笑っている「視覚」に気を取られ怒っているという「聴覚」と「言語」からの情報がかき消されていました。

 

そのシュールな感覚に笑いがこみあげてきたのです。どんな表情をしているか、影響力はそれだけ凄いのですね。私はつい眉間にシワを寄せてしまうことが多いので、気を付けなければならないなと、あらためて思いました。