行政書士と私の人生 7(試験本番)

 

一発で合格したい、という気持ちはありましたが、模試の成績は勉強量が足りていなくて、合格圏内に入っていませんでした。そんな状態のまま試験日がやってきました。

 

試験会場は当時、静岡市の静岡大学キャンパスでした。

私の試験室はひな壇型の大きな部屋で、下から見上げると大勢の受験生が目に入りました。

 

その日は何故だかとても落ち着いていて、ひとりひとりの表情が目に入って”みんないろんな人生の中で今日を迎えているんだ”という静かな心境になっていました。

 

私は人生の岐路に立った時は、神様が味方してくれます。

運がいいと思います。

 

本試験の問題は、なぜか私の知識で対応できるものばかりでした。

一般教養の分野など、信じられないほど簡単に感じました。

おかげで落ち着いて最後まで解答を続けることが出来ました。

終わった時はいいようのない満足感に満たされました。

 

静岡大学は郊外にあるため、公共交通機関を利用するのが主です。

でも私は高揚した気持ちのままに、静岡駅に向かって歩きました。

1時間ぐらい歩いた思いますが、天気の良い日で夕焼けに向かっていて、本当に気持ちが良かったことを今でも覚えています。あの日の私は心理学でいう”フロー”の状態だったかもしれません。

 

帰宅して予備校の解答速報を確認し、合格を確信しました。

この年は2002年、知る人ぞ知る”出題ミスで1問全員正解”としたアクシデントがあった年ですが、その1問を差し引いても、余裕で合格圏内に入っていました。

 

合格を意識すると、にわかに”行政書士として独立したい”という気持ちが湧き上がってきました。