建設業の事業承継と認可、2025年問題

 

建設業界に時間外労働の規制が適用される、2024年問題については以前にご紹介をしましたが、社会全体に訪れる2025年問題というものがあります。

時間外労働の2024年問題についてのブログはこちら

 

昭和22年(1947年)~昭和24年(1949年)のベビーブームに誕生した方は団塊の世代と呼ばれています。日本国内におよそ800万人存在すると言われ、人口分布ではもっとも大きいシェアを占めています。

そして昭和45年(1970年)からの数年間に誕生した方は団塊ジュニア世代と呼ばれています。こちらも人口のシェアが大きいです。

 

2022年からこの団塊の世代が後期高齢者(75歳)になり始めています。この数がピークを迎えるのが2025年なのです。社会保障の制度では現役世代が支える後期高齢者の割合が増えることは、当然に、負担が増えることになります。金銭的なことだけでなく、介護など時間や労力の問題もあります。

 

また事業を経営している一家の場合、後期高齢者となることは経営者が事業の一線から退くことを決断するタイミングにもなります。もちろん個々の健康状態、仕事への意欲、経済状況、後継者の有無、人生観にもよりますが。

 

ここ半年ほど、私の事務所でも株式の売却、代表者および役員の交代、建設業許可における経営業務管理責任者および専任技術者の交代のご相談や依頼が多くなっているように感じます。引退される側の多くはやはり後期高齢者になるタイミングです。

 

建設業許可を維持するための条件についてはこちらをご参照ください。

 

誰に事業を引き継ぐかという問題については、昨今はM&Aを促進するための税金や補助金など政府の支援制度や、M&Aを仲介する組織が充実してきましたので、親族への承継だけでなく、選択肢が増えてきました。

 

別の主体に建設業許可の事業を継承する手続きとして、令和2年に認可の制度が創設されました。認可制度について少しだけご紹介します。

 

この制度は親子間の承継だけではなく、個人から法人への承継、第三者への事業譲渡など様々なケースに対応するようになっています。

その元になるのは当事者が結ぶ「事業譲渡譲受契約書」であり、事業を譲渡譲受するタイミング(日付)を任意に決めることが出来ます。また債権債務を引き継ぐことは認可の条件となっていません。

よって建設業許可が途切れることのないよう、計画的に承継を進めることができる制度になっています。

 

ただし技術技能のノウハウや営業上の人脈など、建設業の競争力の源泉は「人」だと思います。建設業許可の条件も含め、事業運営のために重要な人物については当然、継続して勤務していただくことが最も大切だと思います。