営業所技術者(旧:専任技術者)が現場の配置技術者となれるケース※2024年12月改正

 

現場の担い手不足を補てんする施策として、2024年12月に建設業法等改正の一部が施行され、現場の配置技術者不足に新たなチャンスが生まれました。

 

改正の全体像はこちらをご参照ください。

国土交通省ホームページ

 

さて今回は、中小零細建設業の悩みの種のひとつ・・・

 

「受注の機会があっても、営業所技術者(専任技術者)以外に配置できる技術者がいないため受注ができない」

 

という状況に焦点を当てたいと思います。

 

これまで営業所技術者(専任技術者)が現場の配置技術者となれるのは次の条件を満たす場合でした。

 

1.現場に専任を要する金額に満たない工事(2025.2.1金額引上げ後)

   建築一式工事  9,000万円(税込み)未満

   それ以外の工事 4,500万円(税込み)未満

 

2.現場が近接している

  ex 営業所から片道1時間~30分程度 ※ここは発注者との事前協議が必要

 

弊所で良く読まれているブログ記事「営業所の専任技術者は現場の配置技術者になれるのか」

ご参照いただけると幸いです。

 

資材や労務費の高騰が続く中、上限金額を超えてしまう案件が増えていると思います。

そこが新しい案件の打診を受けた際の悩みであったと思います。

 

「なんとかやり繰りできそうなんだが、業法の問題が・・・」という場面です。

 

今回の改正では、その悩みを低減すべく、次のように条件づけられました。

 

1.請負金額

   建築一式工事  2億円(税込み)未満

   それ以外の工事 1億円(税込み)未満

 

2.現場との距離

   営業所から片道2時間以内 

 

3.現場数

   1現場のみ ※金額に係わらず他の工事との兼任は許されない

 

4.下請次数

   自社から見て3次下請けまでの施工体制であること

 

5.連絡員の配置

   特に資格を要しない

   ※建築・土木一式工事は1年以上の実務経験が必要

 

6.直接雇用

   営業所技術者は出向でも選任できるが、現場配置には直接雇用が必要

    ※役員であれば常勤(社保加入)が必要と推察される

 

7.施工体制の管理

   建設キャリアアップシステム(CCUS)またはCCUSとAPI連携をした

   他社のサービスを活用した現場の入退場の管理体制が必要

   建設キャリアアップシステム はこちら

 

8.現場状況の管理

   スマートフォン等の会議システムを活用した現場の管理体制が必要

 

9.契約した営業所

   従たる営業所を有している場合は配置技術者と同じ営業所であること

 

10.人員配置の計画書

   条件を満たす体制が整っていることを書面に残し保存する

   書式は 国交省ホームページ で入手できます

 

概要は以上です。

この緩和策を活用する場合に新たに発生する出費は、CCUS等のシステムの

導入が未だの企業の場合、その登録や現場運用まで行う経費でしょうか?

 

建設業法などの趣旨から逸脱をしないよう、注意をしていただきたいですが、

せっかく国が用意した緩和の制度ですので、正しく運用して、自社の業績向上、

若手の育成の機会としてこのチャンスを活用していただきたいと思います。