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職業インタビュー#004 「(有)山本技建」代表取締役 山本 邦彦  

”建設業を時代に合わせた労働環境へ”

「拉致みたいに現場に連れて行かれた」それが、一人の大工の人生の始まりだった。
幼い頃から身近だった現場で感じていた「現場の面白さ」。そこから始まったキャリアは、やがて“人を育てる経営者”へと変わっていく。

本記事では、建設業のリアルな仕事観と、時代に合わせて進化する建設業の在り方に迫る。
なぜ彼は「労働環境」を変えようとするのか。なぜ「若者に選ばれる会社」を本気でつくろうとしているのか。そして最後に語られるのは、人生を貫くシンプルな哲学「結果にするか、経過にするか」ぜひご覧ください。

 

【原点 幼い頃と10代の頃の「現場」と「大工」の記憶】

 

 

1.「できなかった勉強と身近だった現場」

 

まず学生時代について教えてください。

うちの弟はちゃんとしているんだよね。ちゃんと勉強していて、高校も「静岡県の高校ならどこでも行ける」って言われるぐらい勉強できて。俺は勉強ができなかったから。先生にも「お前の脳みそはお母さんのお腹に忘れてきたのか」って言われたぐらい(笑)。百聞は一見にしかずだよね。僕の16歳の頃の写真があるんだけど、茶髪のアフロで。こんな感じだったから、勉強もろくにしてなかったですね。ここでは話せないようなヤンチャもしていました。

昔って現場の中にも普通に入れたんだよね。学校の帰りとかに近所の現場に行って、中の階段で遊んでいたりとか。ヘルメットもかぶらずに子どもが現場にいるみたいな、そんな時代だったから。それをすごく覚えてて、「現場っていいな」って思ってた。今よりずっと身近な存在だったよね。

 


2.「拉致!?から始まった大工人生」

 

――この仕事をするようになったきっかけは何ですか?

友達と行くようなところが良くて、16歳とか17歳の頃は別の仕事をしてた。家の仕事なんてやりたいとは思わなかった。でも色々あって免許取り消しになってしまって、自転車で通うのが不便で、その仕事は辞めちゃったんだよね。

仕事辞めて1ヶ月ぐらいしたある朝、いきなりうちの職人さんが部屋に来て、作業着を置いていって「行くぞ」って。拉致みたいに現場に連れ出されたのが始まり。それがきっかけ。

一応、どこかで大工になりたいなって思っていた部分はあった。でも反抗期だったし、うちで働くとは思っていなかった。そういう考えはなかったかな。大工で働くって言っても、どこ行けばいいのかも分からないしね。今みたいに情報もない。結局、友達とか先輩が働いているところが一番近い働き口になるもんね。

 


3.「形が残るからこその喜び・達成感」

 

―この仕事の魅力は何ですか?

やっぱりお客さんが喜んでくれることかな。それこそ新築された地元小学校の木工事にゼネコンさんの1次下請けとしても携わらせてもらいました。市からの指定もあって浜松市産の杉やヒノキをたくさん使って仕事をすることによって、完成した建物を子どもたちが触れてくれるのを見ると嬉しいよね。

あとは、完成すれば「ああ、できたな」っていう達成感みたいなものがある。一つの現場に何十人も入ると本当に息をつく暇もない。だから、忙しく大変だった現場が終わるとホッとします。自分の子どもも学校に通っているし、社員の子どもも地元の学校にいる。そういったところに自分たちの仕事が残るのは嬉しいです。

 


 

【仕事の本質 大工という仕事と経営者としての責任】

 

 

4.「モノづくりが好きな人」

 

――大工に向いている人はどんな人だと思いますか?

モノづくりが好きな人かな。人と話すのが苦手でも、黙々とできる人も向いていると思う。

仕事ができればいい部分もある。でも絶対、最低限のコミュニケーションは必要で、しゃべれなくてもいいわけじゃない。やっぱりベースは、男女問わずモノづくりが好きな人ですね。

 


5.「やるべきことをきちんとできる」

 

――かっこいい職人とはどんな人ですか?

自分のやるべき仕事がはっきり分かっている人だと思います。やるべきことっていうのは役割のことで、自分の役割が分かっていて、それができる人。今何をやる必要があるのかが分かっている人だよね。そしてパッとどんどんできる人。自分の能力も含めて、やるべきことが分かっていて、どんどんやれる人が、かっこいい職人だと思います。

 


6.「必然的に忙しくなる現場の仕事」

 

――印象に残っている現場はありますか?

愛知で店舗の内装工事やったときは、本当に終わらないかと思った。今までの中でそれが一番きつかったかも。

 

――工期的にですか?

工期が短かった。材料も特注で、納期は思うように進めることはできなかった。その中でどう間に合わせるか大変でした。

 

――そういった現場は多いですか?

なくはない。少し前まではなんだかんだあったけれど、でも最近は年1回もないかな。従業員のことを考えたら余裕を持ってやれるような環境ではないね。

基本的には忙しくしないといけない。1件1件の仕事と仕事の間で人が余るとまずいので、少し忙しいでぐらいで回す。忙しくなったら応援を入れる。仕事が切れてしまうのはまずいから、必然的に忙しくはなりますね。

 


7.「休みが少ない業界で感じていた違和感」

 

――建設業界で働き始めて感じたことはありますか?

若い頃から思っていたのは「休みが少ない」っていうことでした。20歳ぐらいのとき、製造業の友達は土日休み。大手自動車メーカーで働いている友達とかは、土曜日も休みでジェットスキーやってて、いいなぁって思っていたよ。モノづくりのは好きだったし、子どもの頃から大工になりたいと思っていた。親父と喧嘩して「やってられんわ」って思うことはあったけど、だからといって仕事自体が嫌って思ったことはない。待遇で言えば休みが少ないぐらい。昔は刃物を研ぐのも今なら労働時間になるけれど、あの頃は「休憩時間にやれ」って言われたし、仕事時間にやっていると怒られた。「休憩ぐらいしたいな」と思いながらやっていた。そういう時代だったからそんなこと言ってもしょうがなかったよね。

 


8.「時代に合った労働環境へ」

 

――「職人が無理なく働ける環境を作りたい」と思ったのはなぜですか?

人が来てくれてからこそ成り立つからです。実際自分がこうやって会社をやっていて、建設業は人がいなければ成り立たない。人の手が少なければ売上は落ちてしまいます。

 

――待遇を強化することは必要だと思いますか?

待遇も含め、色々な部分で時代に合わせないといけない。建設業界のなり手が少ないのは労働環境が他より悪いから。そこはやはり改善していかないとと思っています。特に浜松は製造業と比較されがちだから、製造業の労働環境にできるだけ近づけたいという思いはある。現場仕事だからなかなか難しい部分はありますが、完全には無理でも、補えるところは補いたいと思います。作業服ひとつとっても、昔ながらのポリの作業服はホコリは落ちるけど、暖かくも涼しくもないし、伸びないし、かっこよくもない。だったら着たくなる作業服を作る。他の会社だと自社の作業服を着てない人は結構多いでしょ。でも、うちはカッコいいものを作ることで当たり前のようにみんな着てくれています。

 

――建設業界で労働環境を整える会社は増えていますか?

昔に比べて労働環境を整えること気にしている会社は多いと思う。特に若い人が入ってくる会社は気にしていると思う。そういったことをしている会社に若い人が入ってくるのか、若い人が入ってくるからそういった取り組みをしているのかは定かではないけれど考えている会社は増えたと思います。でも、きつい・汚い・危険みたいな昔のイメージがこべりついている。加えて、メディアも「建設業界には人がいない」で終わる。実際には人がいる企業も改善されている部分もあるのに、その悪いイメージで終わってしまうから、それってどうなのかと思っています。

 


9.「最新の労働環境に終わりはない」

 

――最新の労働環境ってどんなものだと思いますか?

やっぱり働きやすい環境だよね。法改正も含め、それって毎年どんどん変わっていくし、良くなっていくものだと思う。「ここまでできたらOK」みたいな線引きはしない。今でも「週休2日は無理だよ」とか、「昔はできなかった」とか、言ってる人はいるけど、それってやらないだけだと思う。本来、週休2日が難しい会社も多い。でも、うちはそこを徹底してやっている。これからも休日や給与面、福利厚生は常に考えて、どんどん良くしていきたいと思っています。

 


10.「内発的動機は大工になりたいという気持ち」

 

――労働環境などの外面的な部分ではなく、やりがいや魅力などの内面的なものはどうですか?

結局「大工になりたい」と思って来てくれているわけだから、そこは大事にしないといけない。さっき言った昔ながらの手刻みもそうだけど、現場でやらないからって教えないわけじゃない。うちは2年目・3年目になったら、希望者に建築組合の職業訓練校に行ってもらって、そうした技術を習得してもらっている。そこでは一級技能士や大工の技能士の資格取得を目標にしたカリキュラムを2年間やってくれています。そういった意味ではスキルアップのチャンスは多いと思います。ただそれが土曜日だから、週休2日をやっている以上、土曜に行った人は月曜休みにするとか、休みたい日に振替できるようにしている。スキルが上がれば給料は上がる。仕事を覚えずに給料だけ上げるのは違う。年齢での昇給はあっても、技術が上がれば前倒しで上げることだってできる。

長く働いていても威張っていいわけじゃない。若い人に任せっぱなしも違う。若い人も気づいたら率先してやればいいし、ベテランも座っていないで掃除とか他のやれることをやればいい。お互いがお互いを気遣ってやればいい話だと思います。

 


11.「大工になれる道筋を示すこと」

 

――若者の入社理由は何ですか?

基本的には「大工になりたい」というのがまずあります。うちのホームページにカリキュラムを載せていて、「こうこうこうなって一人前になっていきます」という流れが分かるようにしてある。それが分かりやすかったっていうのは言ってくれるかな。

入社してきてくれるのは高校生がメインで、専門学校生も今ちょっと話を聞いているのもあるし、大学生がいたこともある。専門学生とか大学生になると、認知してもらうのがなかなか大変で、全国から情報が集まってくるし、情報量も多い。その中から選んでもらうには費用もかかるし、正直そこまで踏み込めていないのが現状かな。

―工業系高校出身が多いですか?

もちろんそういうところから来る人もいるけれど、普通科高校から来る子もいます。

 


12.「活気とサイクル」

 

――若者が社内にたくさんいることで、何かいい影響はありますか?

やっぱり若い社員が多くいるって外から見ても活気があっていいよねって言われる。年長者だけだと重いものを運ぶことが困難になったりもする。本来なら大工という職種は細かい仕事も多いので年齢が高くなっても出来る仕事だと思う。ただ、材料を運ぶことが大変で大工を辞めざるを得なかったりもする。そこに若手がいれば手伝ってもらうことができる。だから若い人が入社してくることで年長者の方も長く働くことが出来る。

ただし、若手ばかりに雑用を押し付けているようでは、やりがいも感じられなくて辞めてしまう。一方、若手にしてみれば年長者がいることで、豊富な経験を教えてもらう機会は増えるので、そういった良いサイクルができればいいなと思っています。

 


13.「若者に選ばれる会社の条件」

 

――若い世代に選ばれる企業とはどんな企業だと思いますか?

やっぱり労働環境。給与、休み、福利厚生。かといってそれだけじゃなくて、やりがいも踏まえたバランスの取れている企業だと思います。うちの経営理念である「夢と希望と休息を」っていうのは、夢が持てないと人は来ないし、希望も必要。ましてや建設業は元々休息が少ないからこそ、そこをしっかり取れるようにしたい。夢を持てる環境、希望を持てる環境、しっかり休める環境を作らなければいけないっていうことを肝に銘じている部分もあります。

 


 

【人を育てるということ 若者・女性・ベテラン】

 

14.「誕生日月ミーティング」

 

――若者の方とはコミュニケーションを取られますか?

あまり現場に行かないから、会わないといえば会わないかもしれないですね。でも、行った時は多少なりとも喋らないといけないないとは思います。

1回「誕生日月ミーティング」っていうのをやっていて、それはその月が誕生日の人と2人でご飯を食べに行くんだけど、その時にできるだけいろいろな話は聞いてあげたいなと思っています。

 


15.「若者に足りないもの、いい若者の条件」

 

――若者について最近思うことはありますか?

元気がないなと思うことは、なくもないよね。接する機会が少ないっていうのもあるかもしれないけど、もうちょっとハキハキした方がいいのかなと思う。

若者というか、大人に挨拶ができない小学生とかも多いのはどうなんだろうって思う。中学生ぐらいになると挨拶はできるけど、恥ずかしくてボソボソ言ったりすることもある。小学生とかで言えないのはどうなのかなと。旗振りをやっていて「おはよう」って言っても、挨拶をする子よりも何も言わない子の方が多いもんね。仕事をしている子たちには別にそこまで思わないけど、もうちょっと元気が良くてもいいんじゃないかなとは思います。

 

――逆に「いいね!」と思う若者は?

ハキハキしている子はいいよね。ボソボソ話していても、自分が損するだけじゃんって思う。性格もあると思うし、無駄に話さなくてもいいけど、やっぱり挨拶は大事かな。聞こえるように言うのが大事。挨拶をしているつもりなんだろうけど、言ってるのか言ってないのかわからないこともある。せっかく頭を下げて言っているなら、もうちょっと分かるように言った方がいいんじゃないかなって思います。

 


16.「女性が働ける環境は、みんなが働きやすい環境」

 

――女性の採用についてはどう考えられていますか?

今の時代、女性も働く時代だから女性にも働いてもらいたいなと思います。昔はおばちゃんっていう人がいて、その人が現場の片付けをしていたり、旦那さんの仕事を奥さんが手伝っていたりした。でも最近は、家がどうとか、旦那さんがどうのとかではなくて、普通に「自分がなりたい」と入ってくる女性が増えた気がする。外国人を入れたこともあるけど、免許の問題や文化・価値観の違いなどで合わない部分も多かった。だったら日本人の女性や若者が入りやすい環境を整えた方が合理的だと考えた。

女性に関して言えば、結婚・出産で離職してしまうことも多いけれど、そこで終わってしまうのではなくて、また戻って働ける環境を作っていけたらと思っています。なのでパート制度も取り入れています。子供を送り出して9時とか10時から半日働いて、子どもの迎えの時間には間に合うような。女性が働きやすい環境にすることは、年配の人も働きやすい環境になる。ひいては、働き盛りの若い人たちも、より働きやすい環境になると思う。だから今入社していない層の労働環境を整えることは、そういった層だけでなく今いる層にもプラスになってくると思っています。また、パワハラやセクハラも昔とは違って、現場事務所にエロ本があるとか、下ネタとか、今の時代に合わない。今(2026年2月)うちは4月入社予定の女の子がいるけれど、そういったことも気をつけつつ、いろいろな意味で良い方向になっていると思います。

 


17.ではなくに合わせる」

 

――若者や女性に仕事を教えるときに意識していることは何ですか?

もう昔とは違うから、言葉には気をつける。叱るのはいいけど、怒ってはいけないと思う。でも建設現場はどうしても危険なところもあるから、言うべきことは言う。言わないと、本人が一番辛い目にあってしまうから、優しく言っても伝わらない時は叱る必要があると思う。

 

――教え方に特徴はありますか?

教え方というか、考え方は教える側が今の時代に合わせないといけないと思っています。
高校を卒業して入社してくる18歳の考え方が最新の考え方なわけでそれが最新の働き方や理想の働き方だと思う。経験は少ないから、もちろん、できることとできないことはあると思う。年配の方や先輩の言う「昔はこうだった」とか「昔はこうやっていた」っていうのは、昔は良かったかもしれないけれど、必ずしもそれに合わせる必要はないわけですよね。スマホもそうだけど道具にしても何にしても、自分達だって使っていくわけだから、合わせるのは年配の方や先輩の方だと思う。昔のやり方などが良いって言う場合もあるからそれは教える必要はあるけれど、考え方は今の時代に合わせていく。だから、年配の人が若い人に歩み寄らなきゃいけない。新入社員が入ってきた時に一番最初に言うのは、そういった考え方でみんなが合わせてくれているという話です。そもそも仕事ができないのが大前提で、教えてもらって初めて成り立つものだから、謙虚な気持ちや感謝の気持ちを持たなきゃいけないって伝えています。やはりそこのバランスだと思います。なのでうちはパーツとして工場で作られるプレカットに頼らず、大工の基本として昔ならではノミみやカンナを使って、自分達で骨組みを作ることは教えています。本来の大工として元々やっていたことはやっていかなければいけないと思っています。そういった意味では昔の手法や工法等は大事にしています。何でもかんでも新しくして、昔の優れたやり方はできなくてもいいというのは話が違うと思います。

 


18.「理想は専属30人規模。ベテランと若手のバランスという経営課題」

 

――今後はどんな会社にしていきたいと思っていますか?

人が集まる会社にしたいと思っています。若い子が入ってきて、年配もずっといてくれるような安定して人が在籍している会社。常時30人ぐらいの社員大工・専属大工がいる会社にしたいです。2026年の4月で22名ぐらいになるので、着実に伸ばしていきたいです。

全体の平均年齢の理想は45歳ぐらいで今は47歳ぐらい。でも2月時点では社員だけだと36歳ぐらいになる。それを踏まえると社員だけだと若くなりすぎる部分があるので中間層の40代・50代が少ない。リーマンショックや時代によるものもあるだろうけど、ベテランが一気に抜けてしまうと一気に若くなりすぎてしまう。それはそれで大工という仕事や職人といった視点だとやはり若くなりすぎてしまうのはどうかと思います。

別に仕事ができればいいだけの話なのだろうけど、でもやっぱり経験値がものをいう部分はあると思うので、ベテランにもいてもらえるような環境にしていかなければいけないと思っています。

 

ベテラン層の労働環境を整えることの難しさ

環境を良くしすぎると、ベテランは「もっと働きたい」と思うこともあるだろうし、体が週休1日に馴染んでしまっているところや、週休2日でも、「1日出れば給料が増える」ってなる部分もある。そういった部分では、土曜に働ける環境を作るべきかとも思うけど、誰かが出てしまうとそれ以降は元請けから「出てくれるでしょ」と思われる。そうなると休めなくなってしまい本末転倒となってしまう。どうバランス取るか、難しいところです。

 


 

【結果を経過にする生き方 人生観と未来へのメッセージ】

 

19.「職人の地位向上」

 

――ご自身としての理想像はありますか?

昔は憧れの人ってあったけど、今はそこまでこれっていうのはないかもしれません。でも、建設業、その大工の労働環境っていうものは、ちょっと考えていきたいというか、やっぱり職人としての地位の向上っていうものは改善させていきたいなと思う。大工さん、職人さんってすごいなって思われるような。社員さんたちが、自分の子供たちに誇れて、子どもたちから憧れられるような環境を作ってあげたい。理想像とかそういうのとは違うかもしれないけど、子どもたちに憧れられる職種にはしていきたいと思っています。でも、その中で労働環境が良くなければ、憧れられるわけがない。労働環境が良いからこそ、仕事としても憧れるわけだから。

それと個人的には人として優しくなりたいと思うよね。優しいって何が優しいのかって話なんだけど。空手家の大山倍達さんの言葉で「力なき正義は無力なり、正義なき力は暴力なり」というのがあって。優しくなるためには強くもならなきゃいけないっていうのは思うよね。無力であってはいけないと思う。だからといって、ただ自分の好きなことをやってるだけじゃ、それは暴力になることもある。25歳から始めた空手も、強くなりたいっていうのがあった。人に優しくなるためには強くならなきゃいけないんじゃないかって思ったから。

 


20.「“結果”にするか“経過”にするか」

 

――仕事や生きていく上で大切にしていること何ですか?

「一生懸命」だよね。結果はともあれ、一生懸命やっていれば、終わったときに結果が出るだけで。負けたと思えば負けだし、負けてないと思えば負けじゃない。自分が結果だと思えば結果だし、まだまだやると思えば、それは結果じゃなくて経過ってだけの話だから。結果にするのか、経過にするのか。どれだけ一生懸命やるかっていう話で、一生懸命やったなら、それは失敗したって、経過ってだけの話だもんね。一生懸命、頑張ったけど結果はダメでした。それって一つの結果かもしれないけど、自分の長い人生においてはその結果があったからこそ、分かったことも当然あるわけで、捉え方次第ではその「結果」だと思っていたものは一つの経過になってくる。つまり、自分が一生懸命やり続けていれば、結果だと思ったものが全部、経過になり得るわけだよね。そこで全部諦めてしまったら、それは結果で終わっちゃったって話だけど、そうじゃなければ、その結果だと思ったものを経過にしちゃえばいいだけなんですよね。


21.「若い頃の自分に言うなら「勉強しろ」だけど、10代も経験値だった」

 

――若い頃の自分へのアドバイスはありますか?

勉強だよね。勉強してみたらよかったと思う。勉強ばっかりじゃなくてもいいけど、しなさすぎた。勉強ができる時期ってある意味特権だったと思う。経験も大事だけど、勉強はした方がいい。考えることの基本だから。知識を持った方がいろんな意味で考えが広がる部分もあるし、考え方の幅は知識で広がり、知識が知恵になると思います。

 

――逆にしておいて良かったなって思うことはありますか?

ヤンチャも、それはそれで自分の経験値だからね。まあ、わざわざ経験しなくてもいいかもしれんけどでも、良くも悪くも、それはそれで自分が覚えた部分とかもあるわけだよね。無駄とは思ってなくて。もちろん周りに迷惑をかけた部分は当然あるけど。でもね、それがあるから今もあるし。考えてみれば、世の中には悪い奴がいるっていうのもそうだし、いろんな世界を見ることができたっていう点ではね。いろんな経験を積めば、それが自分のいろんな意味での糧になる。良くも悪くも。だって現状は変えられないわけだから。そこからうまく乗り切るにはどう乗り切るかは経験の差が大きいと思います。

 


22.「とりあえず何かやってみる」

 

――やりたいことはどうやって見つければいいと思いますか?

いろいろものを見て、自分で決めるしかないよね。人に言われてやるものでもないし。

分からない時は無理に決める必要もないし、とりあえず何かやってみるとか、いろいろものを見ることはしないと進まない。だったら、何もやらないよりは進んでいるから、ちょっとでも気になるものをやってみた方がいいと思います。


23.「道は続く。止まるのも、戻るのも道」

 

――進路や人生に迷っている人へのアドバイスはありますか?

道は続くって感じかな。さっきの岐路の話じゃないけど、自分が進もうと思う以上、道は絶対にあると思う。行き止まりに行ったとき、どうするか。乗り越えるのもいいし、人に助けてもらうのもいいし、飛行機でもいいし、海なら船でもいい。道がないなら引き返すのも道だよね。戻って、次の分かれ道でまた考えるのも、とりあえず立ち止まって考えるのも道。道は続くわけだから、そこで諦めずに、自分がどうすればいいかを考えればいいんじゃないかな。結果と経過の話になるけど、動いている以上はずっと経過になっていくわけだから。もちろん生きていれば止まることもある。止まってみるのもいいし、下がってみるのもいいっていう話だよね。


 

【会社情報】

「有限会社山本技建」

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