目次

 

(1)許可の欠格要件

(2)監督処分

(3)監督処分の具体的基準

(4)建設業を営む者に対する罰則

(5)工事請負契約書について

(6)印紙代について

(7)特定許可業者の義務

(8)著しく短い工期の禁止

(9)下請け代金の適正な支払い

(10)書類の保存義務

(11)廃棄物処理の基本知識

(12)石綿(アスベスト)

(13)建設発生土の搬出先の明確化について

 

 建設業を営むためにはコンプライアンス重視、様々な法令やルールを守らなければなりません。ここでは行政書士の視点から注意しておくべきと考えられる以下の項目についてご説明をします。

ご不明の点などございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

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許可の欠格要件について(建設業法第8条、同法第17条(準用))

建設業の許可を受ける、また許可を維持するためには「許可要件を備えていること」、「欠格要件に該当しないこと」が必要です。ここでは欠格要件についてご案内いたします。(許可要件に関しましては建設業許可のページにてご確認ください。)
許可申請書や添付書類に「虚偽の記載があった場合」や「重要な事実に関する記載が欠けている場合」、「許可申請者・その役員等・令第3条に規定する使用人が次に掲げるものに1つでも該当する場合」には許可は行われません。
 
[1] 破産者で復権を得ないもの
 
[2] 第29条第1項第5号又は第6号(許可の取消)に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
 
[3] 第29条第1項第5号又は第6号(許可の取消)に該当するとして一般建設業の許可又は特定建設業の許可の取消しの処分に係る行政手続法第15条(聴聞)の規定による通知があった日から当該処分があった日又は処分をしないことの決定があった日までの間に第12条第5号(廃業等の届出)に該当する旨の同条の規定による届出をした者で当該届出の日から5年を経過しないもの
 
[4] 前号に規定する期間内に第12条第5号(廃業等の届出)に該当する旨の同条の規定による届出があった場合において、前号の通知の日前60日以内に当該届出に係る法人の役員等若しくは政令で定める使用人であった者又は当該届出に係る個人の政令で定める使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しないもの
 
[5] 第28条第3項又は第5項(指示処分をした許可業者への営業停止処分)の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
 
[6] 許可を受けようとする建設業について第29条の4(営業の禁止)の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
 
[7] 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 
[8] 建設業法、建設工事の施工若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第32条の3第7項及び第32条の11第1項の規定を除く。)に違反したことにより、又は刑法第204条(傷害)、第206条(現場助勢)、第208条(暴行)、第208条の3、第222条(脅迫)若しくは第247条(背任)の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
 
[9] 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号暴力団員 暴力団の構成員)に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者([14]において「暴力団員等」という。)

[10] 精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

[11] 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号又は次号(法人でその役員等のうちに[1]から[4]まで又は[6]から[10]までのいずれかに該当する者のあるものにかかる部分に限る)のいずれかに該当するもの
 
[12] 法人でその役員等又は政令で定める使用人のうちに、[1]から[4]まで又は[6]から[10]までのいずれかに該当する者([2]に該当する者についてはその者が第29条第1項(許可の取消)の規定により許可を取り消される以前から、[3]又は[4]に該当する者についてはその者が第12条第5号(廃業等の届出)に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、[6]に該当する者についてはその者が第29条の4(営業の禁止)の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員等又は政令で定める使用人であった者を除く。)のあるもの
 
[13] 個人で政令で定める使用人のうちに、[1]から[4]まで又は[6]から[10]までのいずれかに該当する者([2]に該当する者についてはその者が第29条第1項(許可の取消)の規定により許可を取り消される以前から、[3]又は[4]に該当する者についてはその者が第12条第5号(廃業等の届出)に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、[6]に該当する者についてはその者が第29条の4(営業の禁止)の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該個人の政令で定める使用人であった者を除く。)のあるもの

[14] 暴力団員等がその事業活動を支配する者

 

※ここでいう役員等とは、以下の者が該当します。
■株式会社又は有限会社の取締役
■指名委員会等設置会社の執行役
■持分会社の業務を執行する社員
■法人格のある各種の組合等の理事等
■その他、相談役、顧問、株主等、法人に対し業務を執行する社員(取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等)と同等以上の支配力を有するものと認められる者か否かを個別に判断される者

   

 

監督処分について(最終改正:令和5年3月3日国不建第578号)

 

監督処分とは、法令違反があった場合に行政機関が発する命令等を指します。監督処分には「指示処分」「営業停止処分」「許可の取り消し処分」があります。基本的には不正行為等が故意または重過失によるときは原則として営業停止処分、その他の場合には原則として指示処分がされます。(情状により過重または減軽がされる場合があります。)

 

指示処分

 

建設業者の法令違反又は不適正な事実の是正のため、建設業者が具体的にとるべき措置を、許可行政庁等が命じます。

 

 

営業停止処分

 

建設業者に対し1年以内の期間を定めてその営業の全部又は一部の停止を命じます。

 

 

許可取消処分

 

建設業者が許可要件を満たさなくなった場合、欠格要件に該当した場合、重大な不正行為を行った場合等に行われます。

 

 


監督処分の具体的な基準について

 

 

監督処分は建設業の許可行政庁(地方整備局、都道府県)ごとに基準を定めて運用をしています。

ここでは国土交通省の監督処分の基準を例に挙げて解説をします。

(最終改正 令和5年3月3日国不建第578号)

 

 

公衆危害

 

建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために、公衆に死亡者又は3人以上の負傷者を生じさせ、それにより役職員が業務上過失致死傷罪等の刑に処せられた場合で、公衆に重大な危害を及ぼしたと認められる場合

 ⇒営業停止処分(7日以上)

 

それ以外の場合で危害の程度が軽微であると認められる場合

 ⇒指示処分

 

建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼすおそれが大であるとき

 ⇒直ちに危害を防止する措置を行うよう勧告が行われ、必要に応じ指示処分がされます。指示処分に従わない場合は、機動的に営業停止処分(7日以上)がされます。 なお、違反行為が建設資材に起因するものであると認められるときは、必要に応じ、指示処分がされます。

 

 

建設業者の業務に関する談合・贈賄等(刑法違反(公契約関係競売等妨害罪、談合罪、贈賄罪、詐欺罪)、補助金等適正化法違反、独占禁止法違反)

 

① 代表権のある役員等(建設業者が個人である場合においてはその者。以下同じ。)が刑に処せられた場合

 ⇒営業停止処分(1年間)

 

 

② 代表権のない役員等又は政令で定める使用人が刑に処せられたとき

 ⇒営業停止処分(120日以上)

 

 

③ ①又は②以外の場合

 ⇒営業停止処分(60日以上)

 

 

④ 独占禁止法に基づく排除措置命令又は課徴金納付命令の確定があった場合

(独占禁止法第7条の2第18項に基づく通知を受けた場合を含む。)

 ⇒営業停止処分(30日以上)

 

 

⑤ ①~④により営業停止処分(独占禁止法第3条違反に係るものに限る。)を受けた建設業者に対して、当該営業停止の期間の満了後10年を経過するまでの間に①~④に該当する事由(独占禁止法第3条違反に係るものに限る。)があった場合

 ⇒①~④にかかわらず、それぞれの処分事由に係る監督処分基準に定める営業停止の期間を2倍に加重して営業停止処分(1年を超えない範囲)

 

 

 

請負契約に関する不誠実な行為

 

建設業者が請負契約に関し(入札、契約の締結・履行、契約不適合責任の履行その他の建設工事の請負契約に関する全ての過程をいう。)、社会通念上建設業者が有すべき誠実性を欠くものと判断されるものについては、次のとおり監督処分が行われます。

 

【虚偽申請】

 

① 公共工事の請負契約に係る一般競争及び指名競争において、競争参加資格確認申請書、競争参加資格確認資料その他の入札前の調査資料に虚偽の記載をしたとき、その他公共工事の入札及び契約手続について不正行為等を行ったとき(②に規定される場合を除く。)

 ⇒営業停止処分(15日以上)

 

 

② 完成工事高の水増し等の虚偽の申請を行うことにより得た経営事項審査結果を公共工事の発注者に提出し、公共発注者がその結果を資格審査に用いたとき

 ⇒営業停止処分(30日以上)

この場合において、平成20年国土交通省告示第85号第一の四の5の(一)に規定する監査の受審状況において加点され、かつ、監査の受審の対象となった計算書類、財務諸表等の内容に虚偽があったとき

 ⇒営業停止処分(45日以上)

 

 

【主任技術者等の不設置等】

 

建設業法第26条の規定に違反して主任技術者又は監理技術者を置かなかったとき

(資格要件を満たさない者を置いたときを含み、同法第26条の3第1項の規定により特定専門工事の下請負人が主任技術者を置くことを要しないとされているときを除く。)

 ⇒営業停止処分(15日以上)

ただし、技術検定の受検又は監理技術者資格者証の交付申請に際し虚偽の実務経験の証明を行うことによって、不正に資格又は監理技術者資格者証を取得した者を主任技術者又は監理技術者として工事現場に置いていた場合には、30日以上の営業停止処分が行われます。また、工事現場に置かれた主任技術者又は監理技術者が、同法第26条第3項又は同法第26条の3第7項第2号に規定する専任義務に違反する場合には、指示処分が行われます。指示処分に従わない場合は、機動的に営業停止処分(7日以上)が行われます。

 

 

【粗雑工事等による重大な瑕疵】

 

施工段階での手抜きや粗雑工事を行ったことにより、工事目的物に重大な瑕疵が生じたとき

 ⇒営業停止処分(15日以上)ただし、低入札価格調査が行われた工事である場合には、30日以上の営業停止処分を行うこととする。

 

 

【施工体制台帳等の不作成】

 

施工体制台帳又は施工体系図の作成を怠ったとき、又は虚偽の施工体制台帳又は施工体系図の作成を行ったとき

 ⇒営業停止処分(7日以上)

 

 

建設工事の施工等に関する他法令違反

 

他法令違反の例は次のとおりですが、監督処分に当たっては、他法令違反の確認と併せて、当該違反行為の内容・程度、建設業の営業との関連等を総合的に勘案し、建設業者として不適当であるか否かの認定が行われます。

なお、法人に係る他法令違反については、役員等若しくは政令で定める使用人又は法人自体に他法令違反が認められる場合に監督処分が行われます。

 

 

【労働安全衛生法違反等(工事関係者事故等)】

 

役職員が労働安全衛生法違反により刑に処せられた場合

 ⇒指示処分

 

ただし、工事関係者に死亡者又は3人以上の負傷者を生じさせたことにより業務上過失致死傷罪等の刑に処せられた場合で、特に重大な事故を生じさせたと認められる場合には、3日以上の営業停止処分が行われます。

 

 

【建設工事の施工等に関する法令違反】

 

① 建築基準法違反等

■役員等又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合

 ⇒営業停止処分(7日以上)

それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分が行われます。

 

■建築基準法第9条に基づく措置命令等建設業法施行令第3条の2第1号等に規定する命令を受けた場合

 ⇒指示処分

命令に違反した場合は3日以上の営業停止処分が行われます。

 

■建築基準法の違反が建設資材に起因するものであると認められるとき

 ⇒指示処分(必要に応じ)

 

 

② 労働基準法違反等

役員等又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合

 ⇒営業停止処分(7日以上)

それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分が行われます。

 

 

③ 宅地造成及び特定盛土等規制法違反、廃棄物処理法違反

役員等又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合

 ⇒営業停止処分(15日以上)

それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは7日以上の営業停止処分が行われます。

 

 

④ 特定商取引に関する法律違反

■役員等又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合

 ⇒営業停止処分(7日以上)

それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分が行われます。

 

■特定商取引に関する法律第7条等に規定する指示処分を受けた場合

 ⇒指示処分

また、同法第8条第1項等に規定する業務等の停止命令を受けた場合は、3日以上の営業停止処分が行われます。

 

 

⑤ 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律違反

 

■役員等又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合

 ⇒営業停止処分(7日以上)

それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分が行われます。

 

■賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律第33条第2項に規定する指示処分を受けた場合

 ⇒指示処分

また、同法第34条第2項の規定により、特定賃貸借契約の締結について勧誘を行うことを停止すべき命令を受けた場合は、3日以上の営業停止処分が行われます。

 

 

【信用失墜行為等】

 

① 法人税法、消費税法等の税法違反

役員等又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合

 ⇒営業停止処分(7日以上)

それ以外の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分が行われます。

 

 

② 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反(第32条の3第7項の規定を除く。)等

役員等又は政令で定める使用人が刑に処せられた場合

 ⇒営業停止処分(7日以上)

 

 

【健康保険法違反、厚生年金保険法違反、雇用保険法違反】

 

① 役員等又は政令で定める使用人が懲役刑に処せられた場合

 ⇒営業停止処分(7日以上)

それ以の場合で役職員が刑に処せられたときは3日以上の営業停止処分が行われます。

 

 

② 健康保険、厚生年金保険又は雇用保険(以下「健康保険等」という。)に未加入であり、かつ、保険担当部局による立入検査を正当な理由がなく複数回拒否する等、再三の加入指導等に従わず引き続き健康保険等に未加入の状態を継続し、健康保険法、厚生年金保険法又は雇用保険法に違反していることが保険担当部局からの通知により確認された場合は、指示処分が行われます。指示処分に従わない場合は、機動的に営業停止処分(3日以上)が行われます。

 

 

一括下請負等

 

■建設業者が建設業法第22条の規定に違反したとき

 ⇒営業停止処分(15日以上)

ただし、元請負人が施工管理等について契約を誠実に履行しない場合等、建設工事を他の建設業者から一括して請け負った建設業者に酌量すべき情状があるときは、営業停止の期間について必要な減軽が行われます。

 

■建設業者が建設業法第26条の3第9項の規定に違反したとき

 ⇒営業停止処分(15日以上)

 

 

主任技術者等の変更

 

主任技術者又は監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要であると認められるときは、直ちに当該技術者の変更の勧告が書面で行われ、必要に応じ、指示処分が行われます。

指示処分に従わない場合は、機動的に営業停止処分(7日以上)が行われます。

 

 

無許可業者等との下請契約

 

■建設業者が、建設業法第3条第1項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したとき

 ⇒営業停止処分(7日以上)

ただし、建設業者に酌量すべき情状があるときは、必要な減軽が行われます。

 

■建設業者が、特定建設業者以外の建設業を営む者と下請代金の額が建設業法第3条第1項第2号の政令で定める金額以上となる下請契約を締結したときは、当該建設業者及び当該特定建設業者以外の建設業を営む者で一般建設業者であるものに対し、営業停止処分(7日以上)がおこなわれます。

ただし、建設業者に酌量すべき情状があるときは、必要な減軽が行われます。

 

■建設業者が、情を知って、営業停止処分を受けた者等と下請契約を締結したとき

 ⇒営業停止処分(7日以上)

 

 

履行確保法違反

 

■履行確保法第5条の規定に違反した場合

 ⇒指示処分

指示処分に従わない場合

 ⇒機動的に営業停止処分(15日以上)

 

■履行確保法第3条第1項又は第7条第1項の規定に違反した場合

 ⇒指示処分

指示処分に従わない場合は、機動的に営業停止処分(7日以上)が行われます。

 

 

建設業を営む者に対する罰則について

3年以下の懲役又は300万円以下の罰金《法第47条》

 

※青字は許可申請・変更届関係です

 

①建設業の許可を受けないで建設業を営んだ者

(軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない。)

法第3条第1項関係

 

②下請契約の締結の制限に違反して下請契約を締結した者

法第16条関係

 

③営業停止、禁止の処分に違反して建設業を営んだ者

法第29条の4第1項関係

 

④虚偽又は不正の事実に基づいて建設業の許可を受けた者(許可の更新を含む)

法第3条関係

 

 

6月以下の懲役又は100万円以下の罰金《法第50条》

 

※青字は許可申請・変更届関係です

 

①許可申請書又は添付の書類に虚偽の記載をしてこれを提出した者

法第5条、法第6条第1項、法第17条関係

 

②変更等の届出(毎事業年度経過後4ヶ月以内に提出しなければならない決算変更届を含む)の書類を提出せず、又は虚偽の記載をしてこれを提出した者

法第11条第1項~第4項関係

 

③許可の基準を満たさなくなった、又は欠格要件に該当することとなった旨の届出を2週間以内にしなかった者

法第11条第5項関係

 

④経営状況分析申請若しくは経営規模等評価の申請に虚偽の記載をしてこれを提出した者

法第27条の24第2項・第3項、法第27条の26第2項・第3項関係

 

 

100万円以下の罰金《法第52条》

 

①主任技術者又は監理技術者を置かなかった者

法第26条第1項~第3項関係

 

②建設業の許可を受けた建設業者に建設工事を施工させるべき場所において、許可を受けていない建設業者に工事の施工をさせた者

法第26条の2関係

 

③許可がその効力を失った後又は当該処分を受けた後、2週間以内に注文者に通知をしなかった者

法第29条の3第1項関係

 

④登録経営状況分析機関や国土交通大臣又は都道府県知事の必要な要求に対して、報告をせず、若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者

法第27条の24第4項、法第27条の26第4項関係

 

⑤国土交通大臣又は都道府県知事及び中小企業庁長官の必要な要求に対して、報告をせず、又は虚偽の報告をした者

法第31条第1項、法第42条の2第1項関係

 

⑥国土交通大臣又は都道府県知事及び中小企業庁長官の必要な要求に対して、検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

法第31条第1項、法第42条の2第1項関係

 

 

10万円以下の過料《法第55条》

 

※青字は許可申請・変更届関係です

 

①廃業等の届出を怠った者

法第12条関係

 

②審査会による出頭の要求に応じなかった者

法第25条の13第3項関係

 

③店舗及び建設工事の現場ごとに、公衆の見易い場所に標識を掲げない者

法第40条関係

 

④建設業について、許可を受けていないのに、その許可を受けた建設業者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をした者

法第40条の2関係

 

⑤営業所ごとに、その営業に関する事項を記載すべき帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿若しくは図書を保存しなかった者

法第40条の3関係

 

 

工事請負契約書について

 

工事請負契約とは、工事の受注者と発注者のあいだで交わされる契約です。契約は建設業法で書面で作成することが義務付けられております。見積書の作成のみで、ファックス、メール等での受発注は契約書を作成したことになりません。契約内容をあらかじめ書面で明確にすることにより、請負代金、施工範囲等に係る紛争を未然に防ぐことが目的です。

 

 

工事請負契約書に記載すべき内容 

工事請負契約書には必ず記載しなければならない項目が決められています。

 

1 工事内容

2 請負代金の額

3 工事着手の時期及び工事完成の時期

4 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容

5 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法

6 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め

7 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め

8 価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更

9 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め

10 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め

11 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期

12 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法

13 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容

14 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金

15 契約に関する紛争の解決方法

16 その他国土交通省令で定める事項

 

 

書面での契約締結方法

 

公共工事・民間工事ともに契約内容を以下のいずれかの書面で作成します。

 

■請負契約書

■注文書・請書 + 基本契約書

■注文書・請書 + 基本契約約款

 

印紙代について

 

印紙代については、国税庁のホームページに掲載されている最新の印紙税額一覧表を確認するのが一番正確な方法です。

 

国税庁印紙税一覧表(令和6年4月1日以降適用分)

工事請負契約書は一覧表の2号文書にあたります。

更に令和9年3月31日までは軽減税率が適用されています。

 

■1万円超200万円以下      200円

■200万円超300万円以下    500円

■300万円超500万円以下       1,000円

■500万円超1,000万円以下       5,000円

■1,000万円超5,000万円以下  10,000円

■5,000万円超1億円以下       30,000円

■1億円超5億円以下              60,000円

   (以下、省略)

 

請負契約書のなかで契約書の作成通数を規定していると思います。そちらで定めた通数分だけ同じ印紙代が必要になります。

また印紙に押す消印については当事者の双方がしなければならない、という決まりはありません。二度と使えなくするための印ですので、契約の一方でもよいですし、印鑑でなくても、ペンで印(しるし)をするだけでも構いません。なお、工事注文書と請書の場合には、請書のほうにだけ印紙を貼ります。請書も上記の金額をもとにしてください。

 

 

特定許可業者の義務

施工体制台帳について 

 

特定建設業者は発注者から直接請け負った建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額が4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上になる場合は、施工体制台帳を作成しなければなりません。

 

施工体制台帳を作成し、元請業者に現場の施工体制を把握させることで、「品質・工程・安全などの施工上のトラブルの発生」、「不良不適格業者の参入や建設業法違反(一括下請負等)」、「安易な重層下請(生産効率低下につながる)」を防止することが目的です。施工体制台帳には、「工事を請け負う全ての業者名」、「各業者の施工範囲」、「工期」、「各業者の技術者の氏名」などを記載します。

 

※下請契約は「建築工事の請負契約」のことであり、資材の納入や調査業務・運搬業務・警備業務などの契約金額は含みません。

 

 

施工体制台帳の作成が必要なケース

 

元請業者

■一次下請:工事請負金額2,000万円

■一次下請:工事請負金額2,600万円

■運搬業者:運搬請負金額 200万円

 

この場合、下請契約の総額が4,600万円であり、施工体制台帳の作成が必要です。建設工事に該当しないと考えられる業務の契約金額は含みません。

 

 

施工体制台帳の作成が不要なケース

 

元請業者

■一次下請:工事請負金額2,000万円

■一次下請:工事請負金額2,000万円

■運搬業者:運搬請負金額 200万円

 

この場合、下請契約の総額が4,000万円であり、施工体制台帳の作成は不要です。建設工事に該当しないと考えられる業務の契約金額は含みません。

 

 


施工体制台帳の備置・保存・提出・閲覧

 

施工体制台帳は、公共工事・民間工事問わず作成しなければなりません。また、請け負った建設工事の目的物を発注者に引き渡すまでの期間、工事現場ごとに備え置く必要があります。(工事完了後は施工体制台帳を5年間保存します。)

 

公共工事については「入札契約適正化法」の規定により、その写しを発注者に提出しなければなりません。民間工事については、請求があったときは発注者の閲覧に供しなければなりません。

 

 

施工体系図について

 

施工体系図は作成された施工体制台帳に基づき、各下請負人の施工分担関係が一目でわかるようにした図のことです。施工体系図を見ることで、工事に携わる関係者全員が工事における施工分担関係を把握することができます。

 

施工体制台帳の作成対象の工事では施工体系図の作成も必要です。工事の期間中、民間工事については「見やすい場所」に、公共工事では「工事関係者」と「公衆」が見やすい場所に掲示することが義務付けあられています。

 

工事中に下請業者などに変更があった場合、すみやかに施工体系図の表示の変更をしなければなりません。

 

 

元請 特定建設業者の責務について

 

【1】現場での法令遵守指導の実施

【2】下請業者の法令違反については是正指導

【3】下請業者が是正しないときの許可行政庁への通報

 

 

指導すべき法令の規定について

 

特定建設業者が発注者から直接建設工事を請け負い、元請となった場合には、下請業者が「建設業法」「建築基準法」「労働基準法」「労働安全衛生法」などの諸法令に違反しないよう指導に努めなければなりません。下請業者は、直接元請業者と契約した下請業者だけでなく、工事に携わった全ての下請け業者が対象です。

 

 

【建設業法】

下請負人の保護に関する規定、技術者の設置に関する規定等本法のすべてが対象とされておりますが、特に次の①~⑤の項目に留意すること

 

① 建設業の許可(第3条)

② 一括下請負の禁止(第22条)

③ 下請代金の支払(第24条の3、第24条の6)

④ 検査及び確認(第24条の4)

⑤ 主任技術者及び監理技術者の設置等(第26条、26条の2)

 

 

【建築基準法】

① 違反建築の施工停止命令等(第9条第1項、第10項)

② 危害防止の技術基準等(第90条)

 

 

【宅地造成等規制法】

① 設計者の資格等(第9条)

② 宅地造成工事の防災措置等(第14条第2項、第3項、第4項)

 

 

【労働基準法】

① 強制労働等の禁止(第5条)

② 中間搾取の排除(第6条)

③ 賃金の支払方法(第24条)

④ 労働者の最低年齢(第56条)

⑤ 年少者、女性の坑内労働の禁止(第63条、第64条2)

⑥ 安全衛生措置命令(第96条の2第2項、第96条の3第1項)

 

 

【職業安定法】

① 労働者供給事業の禁止(第44条)

② 暴行等による職業紹介の禁止(第63条第1号、第65条第8号)

 

 

【労働安全衛生法】

① 危険・健康障害の防止(第98条第1項)

 

 

【労働者派遣法】

① 建設労働者の派遣の禁止(第4条第1項)

 

 

著しく短い工期の禁止について

 

建設業就業者の長時間労働を是正するためには、適正な工期設定を行う必要があります。建設工事の注文者は、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる期間に比して著しく短い期間を工期とする請負契約を締結することは禁止されています。

 

短い工期と長時間労働には相関関係があります。令和6年4月からは建設業についても、「時間外労働時間の上限規制」の適用を受けるため、上限規制以上の時間外労働は労働基準法違反となります。

 

※災害時の復旧・復興事業は除きます(令和6年4月1日~)

※上限規制を上回る違法な時間外労働時間を前提として設定される工期は、たとえ元請負人と下請負人との間で合意をしていたとしても「著しく短い工期」と判断がされます。(令和6年4月1日~)

 

 

著しく短い工期の判断材料について

 

■見積依頼の際に元請負人が下請負人に示した条件

■締結された請負契約の内容

■下請負人が「著しく短い工期」と認識する考え方

■過去の同種類似工事の実績

■下請負人が元請負人に提出した見積もりの内容

■当該工期を前提として請負契約を締結した事情

■当該工期に関する元請負人の考え方

■賃金台帳、等

 

 

著しく短い工期の判断の視点について

 

【1】契約締結された工期が、「工期基準」で示された内容を踏まえていないため短くなり、それにより下請負人が違法な長時間労働などの不適正な状態で当該下請工事を施工することになっていないか。

 

【2】契約締結された工期が、過去の同種類似工事の工期と比較して短くなることにより、下請負人が違法な長時間労働などの不適正な状態で当該下請工事を施工することになっていないか。

 

【3】契約締結された工期が、下請負人が見積書で示した工期と比較して短い場合、それにより下請負人が違法な長時間労働などの不適正な状態で当該下請工事を施工することになっていないか。

 

 

工期の変更が必要となる場合にも適用されます

 

「著しく短い工期」の禁止は、当初の契約締結後、当初の契約どおり工事が進行しなかったり、工事内容に変更が生じた際、工期を変更するために変更契約を締結する場合についても適用されます。

 

 

著しく短い工期の禁止に違反した場合の措置について

 

国土交通大臣等は、著しく短い工期で締結をした発注者に対して、勧告を行うことができ、従わない場合にはその旨を公表することができます。建設工事の注文者が建設業者である場合は、勧告や指示処分を行います。

 

 

下請け代金の適正な支払いについて

 

下請代金が適正に支払われないと下請負人の経営の安定性が損なわれるばかりでなく、ひいてはそれが手抜き工事、労災事故等を誘発し、建設工事の適正な施工の確保が困難になりかねません。

 

建設業法では、工事の適正な施工と下請負人の利益保護を目的として下請代金の支払いに関する規定を設けています。

 

① 注文者から請負代金の出来形部分に対する支払い、または工事完成後における支払いを受けたときは、その支払対象となった工事を施工した下請負人に対して、相当する下請代金を1ヶ月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければなりません。

 

② 下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければなりません。手形で支払う場合においても、手形期間は120日以内で、できるだけ短い期間としましょう。

 

③ 元請負人は、前払金の支払いを受けたときは、下請負人に対して資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう配慮しなければなりません。

 

建設工事では発注者から資材の購入や労働者の募集等建設工事の着手のために必要な準備金が前払金として支払われることがありますが、このような資材購入等の準備行為は元請負人だけでなく下請負人によって行われることも多いので、元請負人が前払金の支払いを受けたときは下請負人に対しても工事着手に必要な費用を前払金として支払うよう努めるべきこととしています。

 

④ 下請工事の完成を確認するための検査は、下請負人から工事完成の通知を受けた日から20日以内に行い、かつ、完成検査後に下請負人が工事の目的物の引き渡しを申し出たときは直ちに引き渡しを受けなければなりません。

 

下請負人からの「工事完成の通知」や「引き渡しの申出」は口頭でも足りますが、後日の紛争を避けるため、書面で行うようにしましょう。

 

⑤ 特定建設業者は下請負人(特定建設業者または資本金が4,000万円以上の法人を除く)からの工事の目的物の引渡し申出日から起算して50日以内に下請代金を支払わなければなりません。

 

赤伝処理を行う場合は、元請負人と下請負人双方の協議・合意が必要です。下請代金の支払いに際して、安全衛生費や建設廃棄物の処理費用を下請代金から差し引く場合にはその内容を見積条件や契約書面に明示するようにしましょう。

 

※特定建設業者は、元請としての義務①と特定建設業者⑤の両方の義務を負うので、出来形払いや完成払いを受けた日から1ヶ月以内か、引渡しの申出から50日以内の支払い期日(支払期日の定めがなければ引渡し申出日)のいずれか早いほうで支払わなければなりません。

 

 

書類の保存義務について

帳簿について

建設業者は営業所ごとに、国土交通省令で定める内容を記載した帳簿を備え、その帳簿と営業に関する図書を保存しなければなりません。

 

帳簿の保存期間は5年間です。

※発注者(宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引業者は除く)と締結した住宅を新築する建設工事に関するものについては10年間保存します。

 

 

【帳簿に記載すべき内容】

 

① 営業所の代表者氏名と就任日

 

② 注文者と締結した建設工事の請負契約に関する以下の内容

■建設工事の名称と現場所在地

■注文者との契約日

■注文者の商号、住所、許可番号

■注文者が完成を確認するための検査が完了した年月日

■工事の目的物を引き渡した年月日

 

③ 下請契約に関する事項

■下請負人に請け負わせた建設工事の名称と現場所在地

■下請負人との契約日

■下請負人の商号、住所、許可番号

■工事の完成を確認するための検査が完了した年月日

■工事の目的物の引き渡しを受けた年月日

 

 

【帳簿の添付書類】

 

① 契約書またはその写し

 

② 特定建設業の許可を受けている者が注文者(元請工事に限らない)となって一般建設業者(資本金4,000万円以上の法人企業は除く)に建設工事を下請負した場合

 ⇒下請代金の支払済額、支払った年月日、支払手段を証明する書類(領収書など)またはその写し

 

③ 建設業者が施工体制台帳を作成したときは(元請工事に限る)、工事現場に据え付ける施工体制台帳の以下の部分(工事完了後に施工体制台帳から必要な部分のみを抜粋します)

■実際に現場に置いた主任技術者(又は監理技術者)の氏名と有する主任技術者資格(又は監理技術者資格)

■監理技術者補佐を置いたときはその者の氏名、有する監理技術者補佐資格

■主任技術者、監理技術者、監理技術者補佐以外に専門技術者を置いたときはその者の氏名とその者が管理を担当した建設工事の内容、有する主任技術者資格

■下請負人(末端までの全業者)の商号、許可番号

■下請負人に請け負わせた建設工事の内容、工期

■下請業者が実際に工事現場に置いた主任技術者の氏名、有する主任技術者資格

■下請負人が主任技術者以外に専門技術者を置いたときはその者の氏名、その者が管理を担当した建設工事の内容、有する主任技術者資格

 

※書類の添付に代えてスキャナで読み取り、記録をして営業所で表示をする方法でも可能です。

 

 

営業に関する図書について

 

営業に関する図書の保存期間は10年間です。営業に関する図書として保存義務があるものは以下のとおりです。(対象業者は元請業者のみ)

 

■「建設工事の目的物の完成時の状況を表した完成図を作成した場合」、「発注者から完成図を提供された場合」には完成図を保存しなければなりません。

 

■「打合せが工事内容に関するもの」であり、かつ、「記録を発注者との間で相互に交付した場合」には発注者との打合せ記録を保存しなければなりません。

 

■「施工体系図を作成しなければならない建設業者」は、重層化した下請構造の全体像が明らかとなる施工体系図を作成しなければなりません。

 

 

廃棄物処理の基本知識

 

建設工事等に伴って生ずる廃棄物には次のような特殊性があります。

 

「廃棄物の発生場所が一定しない」

「発生量が膨大」

「廃棄物の種類が膨大であり、混合状態で排出される場合が多いが、的確に分別することにより再生利用が可能なものが多い」

「廃棄物を取り扱うものが多数存在する」

 

建設廃棄物は不適正処理の事例として取り上げられるものが多く、とりわけ、木くず、がれき類等解体廃棄物については不法投棄量が多く、生活環境保全上の大きな問題となっています。

建設廃棄物の適正処理を図るためには、排出事業者においては、建設廃棄物の発生抑制、再生利用、減量化等その他適正処理のため排出事業者としての責任を果たすとともに、発注者等の排出事業者以外の関係者においても、それぞれの立場に応じた責務を果たすことが重要です。

 

 

排出事業者の責務と役割について

 

■排出事業者について

建設工事では、原則として元請業者が排出事業者に該当します。建設工事では「建設工事等の発注者」、「発注者から建設工事等を直接請け負った元請業者」、「元請業者から建設工事等を請け負った下請業者等関係者」など、関係者が多数いることから、廃棄物処理についての責任の所在があいまいになってしまうおそれがあります。そのため建設廃棄物については、実際の工事の施工を下請業者が行っている場合であっても、発注者から直接工事を請け負った元請業者を排出事業者として処理責任を負わせることとしています。

 

 

■建設廃棄物の減量化について

排出事業者は、建設廃棄物の発生抑制、再生利用等による減量化、再生資材の活用を積極的に図らなければなりません。

 

 

■自己処理について

排出事業者は、自らの責任において建設廃棄物を廃棄物処理法に従い、適正に処理になければなりません。排出事業者が自ら行う運搬、中間処理(再生も含みます)、最終処分をいい、それぞれ廃棄物処理法に定める基準に従い処分をしなければなりません。

 

 

■委託処理について

排出事業者は、建設廃棄物の処理を他人に委託する場合、廃棄物処理法に定める委託基準に従い、「収集運搬業者」、「中間処理業者」、「最終処分業者」とそれぞれ事前に委託契約を書面にて行い、適正な処理費用の支払い等、排出事業者として適正な処理を確保しなければなりません。また、現場内で行う処理であっても、下請業者に処理させる場合は、委託処理に該当します。

 

 

発注者等の関係者の責務と役割

 

建設工事等における発注者等の排出事業者以外の関係者は、「発生抑制」、「再生利用等」による減量化を含めた適正処分について、排出事業者が廃棄物処理の責任を果たせるように、それぞれの立場に応じた責務を果たさなければなりません。

 

■発注者は、廃棄物の発生抑制、再生利用を考慮した設計に努めるとともに廃棄物処理の条件を明示する。

■設計者は、発注者の意向をふまえ、廃棄物の発生抑制、再生利用を考慮した設計に努める。

■下請け業者は、廃棄物の発生抑制、再生利用に関し排出事業者に協力する。

■処理業者は、排出事業者との書面による委託契約に従い、廃棄物を適正に処理する。

■製造事業者(メーカー)は、梱包を簡素化するなど、廃棄物の発生抑制に努めるとともに、製品が廃棄物となった場合、適正処理が困難にならないように製品開発に努める。

 

 

建設廃棄物の種類

 

建設廃棄物には、直接工事から排出される廃棄物と建設現場や現場事務所などから排出される廃棄物があります。排出事業者は、自らの責任において建設工事等から排出される産業廃棄物を、その種類に応じた処理基準に従い適正に処理しなければなりません。建設現場や現場事務所などから排出される一般廃棄物の処理については、廃棄物は生じた区域における市町村の指示に従い処理しなければなりません。

 

■一般廃棄物

現場事務所などから排出される生ごみ、新聞、雑誌など

 

 

■産業廃棄物

 ①廃プラスチック類

  →廃発泡スチロール等梱包材、廃ビニール、合成ゴムくず、廃タイヤ、廃シート類

 

 ②ゴムくず

  →天然ゴムくず

 

 ③金属くず

  →鉄骨鉄筋くず、金属加工くず、足場パイプ、保安塀くず

 

 ④ガラスくず・陶磁器くず

  →ガラスくず、タイル衛生陶磁器くず、耐火れんがくず

 

 ⑤がれき類

  →工作物の除去に伴って生じたコンクリートの破片、その他これに類する不要物(コンクリート破片、アスファルト・コンクリート破片、レンガ破片)

 

 ⑥汚泥

  →含水率が高く微細な泥状の掘削物(掘削物を標準ダンプトラックに山積みできず、またその上を人が歩けない状態(コーン指数がおおむね200kN/㎡以下または一軸圧縮強度がおおむね50kN/㎡以下)具体的には場所打杭工法・泥水シールド工法等で生ずる廃泥水)

 

 ⑦木くず

  →工作物の新築、改築、除去に伴って生ずる木くず(型枠、足場材等、内装・建具工事等の残材、抜根・伐採材、木造解体材等)

 

 ⑧紙くず

  →工作物の新築、改築、除去に伴って生ずる紙くず(梱包材、段ボール、壁紙くず等)

 

 ⑨繊維くず

  →工作物の新築、改築、除去に伴って生ずる繊維くず(廃ウエス、縄、ロープ類)

 

 ⑩廃油

  →防水アスファルト、アスファルト乳剤等の使用残さ(タールピッチ類)

 

 ※⓵から⑤は安定型最終処分場に持ち込みが可能な品目。ただし石膏ボード、廃ブラウン管の側面部(以上ガラスくず、陶磁器くず)、鉛蓄電池の電極、鉛製の管又は板(以上金属くず)、廃プリント電線板(廃プラスチック類、金属くず)、廃容器包装(廃プラスチック類、ガラスくず、陶磁器くず、金属くず)は除く

 

 

特別管理産業廃棄物

 ①廃油:揮発油類、灯油類、軽油類

 ②廃PCB等及びPCB汚染物:トランス、コンデンサ、蛍光灯安定器

 ③廃石綿等:飛散型アスベスト廃棄物

 

 

特別管理産業廃棄物の取扱い

 

特別管理産業廃棄物とは爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれのある性状を有するものをいい、建設廃棄物のなかでは廃石綿等、廃油等が該当し、これらは特に厳しい処分基準が定められています。他の廃棄物と混合しないように保管、排出し、処分には十分注意をしてください。

 

■廃石綿等

 ①吹付け石綿を除去したもの

 ②次のような石綿を含む保温材、耐火被覆材等を除去したもの

 ・石綿保温材

 ・けいそう土保温材

 ・パーライト保温材

 ・人の接触、気流及び振動等により上記のものと同等以上に石綿が飛散するおそれのある保温材(比重0.5以下の石綿含有保温材)

 ③上記のものを除去する際に用いられた養生シート、防じんマスク等の廃棄されたもので石綿の付着しているおそれのあるもの

 

 

■廃油

 ①揮発油類、灯油類、軽油類(シンナー、燃料等の残り)

 ②上記のものを使用することに伴って排出される廃油で、引火点70℃未満のもの

 ③廃酸(ph2以下のもの)

 ④廃アルカリ(ph12.5以上のもの)

 

 

保管基準について

 

排出事業者は廃棄物が運搬されるまでの間、定められた基準(産業廃棄物保管基準)に従い、生活環境の保全上支障のないように廃棄物を保管しなければなりません。具体的には以下のとおりです。

 

■周囲に囲いが設けられていること

■見やすい箇所に以下の内容の掲示板が設けられていること

・縦横それぞれ60cm以上の掲示板であること

・「産業廃棄物の保管場所である旨」、「廃棄物の種類」、「保管場所の管理者の氏名または名称及び連絡先」、「最大保管高さ」など所定事項

 

保管の場所から廃棄物が飛散し、流出し、及び地下に浸透し、並びに悪臭が発散しないように、汚水発生のおそれがあれば排水溝等の整備など、必要な措置を講ずることが求められます。保管ばしょには「ねずみ」、「蚊」、「はえ」その他の外注が発生しないようにします。

※石綿を含む産業廃棄物の場合は、「その他の物と混合しないよう、仕切りを設ける等必要な措置」を講ずること、「覆いを設ける、梱包する等により飛散を防止するための必要な措置」を講しなければなりません。

※水銀使用製品の場合は、「その他の物と混合しないよう、仕切りを設ける等必要な措置」を講じなければなりません。

※特別管理産業廃棄物を保管する場合にはその種類などの表示や他の物と混合しないよう仕切りなどの措置、種類別に揮発防止や腐食防止、高温防止などの措置も義務付けられています。

 

 

処理を委託する場合

 

排出事業者は、産業廃棄物の処理を委託する場合、委託基準に従い都道府県等の許可を受けた業者に処理を委託することになります。委託をする場合、「業者が収集運搬(または処分)の許可を保有している」こと、「委託する産業廃棄物がその許可の品目の中に含まれている」ことを確認しましょう。確認は委託する業者の「産業廃棄物処理業許可証」で確認ができます。委託契約を結ぶ場合は、法律で定められた内容の契約書を作成してください。

 

 

委託契約書

廃棄物の種類や量、運搬や処理の方法などを明らかにし、各業者と書面で委託契約を締結しなければなりません。(委託契約書は排出事業者が作成します。)

委託契約を締結する際は、大きく3つのパターンに分けられます。

「①収集運搬のみを委託する場合」、「②処分のみを委託する場合」、「③収集運搬と処分をひとつの業者に委託する場合」それぞれ必要な記載事項を確認していきましょう。

 

 

委託契約書に記載すべき内容

 

①収集運搬のみを委託する場合

 

運搬の最終目的地の所在地

(積替保管する際は、別途記載事項があります)

委託する産業廃棄物の種類

委託する産業廃棄物の数量

委託契約の有効期間

委託者が受託者に支払う料金

受託者が許可を受けた事業範囲

産業廃棄物の性状および荷姿

通常の保管状況下での腐敗、揮発等性状の変化に係わる事項

他の廃棄物の混合等により生ずる支障に係わる事項

日本工業規格C0950号に規定する含有マークの表示に係わる事項

委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合はその旨

水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合はその旨

その他、取り扱いに係わる注意事項

委託契約の有効期間中に産業廃棄物の情報に変更が生じた際の伝達方法

委託業務終了時の委託者への報告に係わる事項

契約解除時の未処理産業廃棄物の取り扱いに係わる事項

 

 

②処分のみを委託する場合

 

処分又は再生場所の所在地

処分又は再生方法

施設の処理能力

最終処分場所の所在地

最終処分方法

最終施設の処理能力

委託する産業廃棄物の種類

委託する産業廃棄物の数量

委託契約の有効期間

委託者が受託者に支払う料金

受託者が許可を受けた事業範囲

産業廃棄物の性状および荷姿

通常の保管状況下での腐敗、揮発等性状の変化に係わる事項

他の廃棄物の混合等により生ずる支障に係わる事項

日本工業規格C0950号に規定する含有マークの表示に係わる事項

委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合はその旨

水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合はその旨

その他、取り扱いに係わる注意事項

委託契約の有効期間中に産業廃棄物の情報に変更が生じた際の伝達方法

委託業務終了時の委託者への報告に係わる事項

契約解除時の未処理産業廃棄物の取り扱いに係わる事項

 

 

③収集運搬と処分をひとつの業者に委託する場合

 

処分又は再生場所の所在地

処分又は再生方法

施設の処理能力

最終処分場所の所在地

最終処分方法

最終施設の処理能力

運搬の最終目的地の所在地

(積替保管する際は、別途記載事項があります)

委託する産業廃棄物の種類

委託する産業廃棄物の数量

委託契約の有効期間

委託者が受託者に支払う料金

受託者が許可を受けた事業範囲

産業廃棄物の性状および荷姿

通常の保管状況下での腐敗、揮発等性状の変化に係わる事項

他の廃棄物の混合等により生ずる支障に係わる事項

日本工業規格C0950号に規定する含有マークの表示に係わる事項

委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合はその旨

水銀使用製品産業廃棄物又は水銀含有ばいじん等が含まれる場合はその旨

その他、取り扱いに係わる注意事項

委託契約の有効期間中に産業廃棄物の情報に変更が生じた際の伝達方法

委託業務終了時の委託者への報告に係わる事項

契約解除時の未処理産業廃棄物の取り扱いに係わる事項

 

 

マニフェストについて

 

排出事業者が廃棄物処理を委託する場合、マニフェストで管理することが廃棄物処理法により義務付けられています。マニフェスト制度は、排出事業者が処理を委託した産業廃棄物の移動、処理の状況を自ら把握するためにあります。制度導入以前は廃棄物の不適切な処理や不法投棄が続いたことから1990年に導入されました。

 

 

■紙マニフェスト

 

マニフェストは、7枚綴りの複写式の伝票になっており、排出事業者は「廃棄物の種類」、「数量」、「収集運搬事業者名」、「処分事業者名」などを記入し、廃棄物とともに業者に渡します。各工程で廃棄物の収集運搬や処分が終わると排出事業者のもとにマニフェストが戻ってくる仕組みとなっており、最終的に排出事業者の手元には4枚残ります。伝票は受け取った日から5年間保管します。

 

 

■電子マニフェスト

 

電子マニフェストは紙マニフェストに記載する情報を電子化したものです。各業者はインターネット上でやりとりをするため、廃棄物の状況をリアルタイムで確認することができます。

伝票の保存や報告書提出が不要であり、紙マニフェストよりも運用が容易です。しかし、「排出事業者」、「収集運搬業者」、「中間処分業者」、「最終処分業者」などすべての事業者が電子システムを導入していなければ活用できません。(導入費用がかかります。)「産廃の引き渡し日」、「運搬終了日」、「処分終了日」からそれぞれ3日以内に情報処理センターに報告をします。

 

 

石綿(アスベスト)について

 

石綿は、平成18年(2006年)9月から「製造」「輸入」「使用」などが禁止されています。かつて石綿は、私たちの生活の至るところで使用されていましたが、石綿の繊維を吸入してしまうとじん肺、肺がん、中皮腫などの原因となる可能性があることから現在では使用等が禁止されています。 建築物の解体や改修工事の際に工事に従事する方が石綿を吸い込んだり、大気中に石綿が飛散することがないよう、適切な石綿対策が必要です。

 

 

令和2年10月1日施行

■ケイ酸カルシウム板第1種を切断等する場合の措置新設

■石綿含有成形品に対する措置の強化(切断等原則禁止)

 

令和3年4月1日施行

■事前調査方法の明確化

■分析調査を不要とする規定の吹付け材への適用

■事前調査及び分析調査結果の記録等

■計画届の対象拡大

■負圧隔離を要する作業に係る措置の強化

■仕上塗材を電動工具を使用して除去する割合の措置の新設

■労働者ごとの作業の記録項目の追加

■作業実施状況の写真等による記録の義務化

■発注者による事前調査・作業状況の記録に対する配慮 

 

令和4年4月1日施行

■解体・改修工事に係る事前調査結果等の届出制度の新設

 

令和5年10月1日施行

■事前調査・分析調査を行う者の要件新設

 

 

建築物石綿含有建材調査者について

 

令和5年10月1日着工の工事から、事前調査は「建築物石綿含有建材調査者」が行う必要があります。

 

■特定建築物石綿含有建材調査者

■一般建築物石綿含有建材調査者

■一戸建て等石綿含有建材調査者

(一戸建て住宅・共同住宅は住戸の内部限定)

■令和5年9月までに日本アスベスト調査診断協会に登録された者

 

 

事前調査とは

 

事前調査とは、工事前に建築物等に使用されている建材の石綿含有の有無を調査することをいいます。工事対象となる全ての材料について設計図書等の文書を確認するとともに、目視により確認しなければなりません。目視とは単に目で見て判断することではなく、現地で部材の製品情報などを確認することをいいます。

 

調査は石綿含有無しの証明を行うことから始まります。証明ができない場合は分析調査を行うか、石綿ありとみなすことが基本となります。石綿ありとみなして、労働安全衛生法令に基づく必要なばく露・飛散防止対策を講じれば、分析調査は不要です。(吹付け材についても規定が適用されます)

 

 

調査結果の保存と掲示

 

調査結果の記録は、3年間保存する必要があります。また、調査結果の写しを工事現場に備え付け、概要を見やすい箇所に提示することも義務となっております。調査結果の記録項目は以下のとおりです。

 

■事業者の名称・住所・電話番号、現場住所、工事の名称・概要

■事前調査の終了年月日

■工事対象の建築物・工作物の着工日、構造

■事前調査の実施部分、調査方法、調査結果(石綿の使用の有無とその判断根拠)

■目視による確認が困難な材料の有無、場所

 

 

工事開始前の労働基準監督署への報告について

 

石綿が含まれている保温材等の除去等工事の計画は14日前までに労働基準監督署に届け出ることが義務づけられています。

 

【届出が必要な工事】

 

①解体工事部分の床面積の合計が80㎡以上の建築物の解体工事

②請負金額が100万円以上である特定の工作物の解体工事

③請負金額が100万円以上である建築物又は特定の工作物の改修工事 

 

【届出事項】

 

■事業者の名称・住所・電話番号、現場住所、工事の名称・概要

■調査終了日

■工事実施期間

■上記①の工事の場合は床面積の合計、②と③の場合は請負代金の額

■建築物や工作物の構造、事前調査の実施部分、調査方法、調査結果(石綿の使用の有無とその判断根拠)

■調査者氏名・証明書類の概要(建築物の場合)

■石綿作業主任者の氏名(石綿が使用されている場合)

 

【報告の方法】

■複数の事業者が同一の工事を請け負っている場合は、元請事業者が請負事業者に関する内容も含めて報告する必要があります。

■平成18年9月1日以降に着工した工作物について、同一の部分を定期的に改修する場合は、一度報告を行えば、同一部分の改修工事については、その後の報告は不要です。

 

 

建設発生土の搬出先の明確化について

 

令和3年7月に熱海市で発生した土石流災害を受け、宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)が施行されるとともに、資源有効利用促進法省令の改正により建設発生土が適切に利用・処分されるよう、搬出先の盛土規制法の許可等の確認や搬出後の土砂受領書等の確認が義務づけられています。

 

 

再生資源の搬入又は指定副産物の搬出前に実施すること

 

■契約の際は、運搬費その他指定副産物の処理に要する経費の見積もりを適切に行うよう努めます。

 

■再生資源利用促進計画・再生資源利用計画(以下、計画)を作成してください。

 

 【1】一定規模以上の工事を施工する場合、計画を作成すること

 一定規模以上の工事とは…

 再生資源利用促進計画(建設副産物を搬出する際の計画)土砂500㎥以上,Co塊・As塊・建設発生木材は合計が200t以上

 再生資源利用計画(再生資源を利用(搬入)する際の計画)土砂500㎥以上,砕石500t以上,加熱アスファルト混合物200t以上

 

 

 【2】建設発生土を搬出する際は、あわせて以下の項目の確認結果票を作成すること

 ①建設発生土の搬出先が盛土規制法の許可地等であるなど適正であることの確認

 (盛土規制法や土砂条例、他法令による許可及び届出が行われているかなどを確認)

 

 ②発注者等が行った土壌汚染対策法等の手続状況等の確認

 

 

 【3】計画書は発注者へ提出し説明すること

 

 【4】計画書は工事現場の公衆の見えやすい場所へ掲示すること

 

 【5】作成した計画を運送事業者に通知すること

 

 【6】工事現場に責任者を置くことにより管理体制を整備し、同計画の事務を適切に行うこと

 

 

建設発生土の搬入後・搬出後に実施すること

 

 【1】建設発生土を搬出先へ搬出したときは、受領書の確認を受けてください。

 

 【2】受領書の写しを工事完成後5年間保存してください。

 

 【3】搬出先が計画書と一致することを確認してください。

 

 【4】建設発生土を他の建設工事やストックヤードから受入れたときは、搬入元に受領書を交付してください。

 

 

建設工事の完成後に実施すること

 

■計画の実施状況を記録・保存してください。

 

 【1】元請業者は、計画の実施状況を把握して記録し、受領書の写しと合わせて5年間保存すること

 

 【2】発注者から請求があったときは、計画の実施状況を発注者に報告すること

 

 

■建設発生土の最終搬出先の記録の作成・保存してください(令和6年6月より施行)。

 

 【1】元請業者は建設発生土が計画に記載した搬出先から他の搬出先へ搬出されたときは、速やかに搬出先の名称や所在地、搬出量等を記載した書面を作成し、保存すること

 

 【2】他の搬出先へ搬出されたときも同様である

 

 【3】ただし、①~④に搬出された場合は、最終搬出先の確認は不要である。

 

 ①国又は地方公共団体が管理する場所(当該管理者が受領書を交付するもの)

 

 ②他の建設現場で利用する場合

 

 ③ストックヤード運営事業者登録規程により国に登録されたストックヤード

 

 ④土砂処分場(盛土利用等し再搬出しないもの)

 

 

令和6年6月からは、ストックヤードに搬出した場合でも最終搬出先まで確認を行うことが義務づけられます。国に登録されたストックヤードに搬出した場合は、最終搬出先までの確認を行うことが不要となります。ストックヤードとはそのまま利用が可能な良質土、普通土を一時的に仮置きし、その後他の工事現場へ搬出して再利用するための施設です。

 

 

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