電気工事業

他の業種は10年の実務経験を証明することで、専任技術者になることができますが、電気工事業は実務経験のみで専任技術者になることができません。電気工事の場合は、建設業法だけでなく電気工事士法という法令も遵守しなければならないからです。電気工事士法については後ほどご案内いたします。

 

専任技術者になるための国家資格等

特定建設業における専任技術者の要件

建設業法(技術検定)

■1級電気工事施工管理技士

 

技術士法(技術士試験)

■建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理「建設」(鋼構造及びコンクリートを除く)

■建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術管理「建設ー鋼構造及びコンクリート」

■電気電子・総合技術監理「電気電子」

 

一般建設業における専任技術者の要件

建設業法(技術検定)

■1級電気工事施工管理技士

■2級電気工事施工管理技士

 

技術士法(技術士試験)

■建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理「建設」(鋼構造及びコンクリートを除く)

■建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術管理「建設ー鋼構造及びコンクリート」

■電気電子・総合技術監理「電気電子」

 

電気工事士法(電気工事士試験)

■第1種電気工事士

■第2種電気工事士 ※合格後3年以上の実務経験が必要

 

電気事業法(電気主任技術者国家試験等)

■電気主任技術者(第1種~第3種) ※合格後5年以上の実務経験が必要

 

その他

■建築設備士 ※合格後1年以上の実務経験が必要

■計装 ※合格後1年以上の実務経験が必要

 

基幹技能者

■登録電気工事基幹技能者

■登録送電線工事基幹技能者

 

電気工事士法(電気工事士)について

電気工事の欠陥による災害の発生を防止するために電気工事士法では一定の軽微な工事を除いて電気工事士の資格を持っている者でなければ従事することができません。

 

電気工事士法で定める軽微な工事とは、以下のとおりです。

 

第一条 電気工事士法(以下「法」という。)第二条第三項ただし書の政令で定める軽微な工事は、次のとおりとする。

一 電圧六百ボルト以下で使用する差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットその他の接続器又は電圧六百ボルト以下で使用するナイフスイッチ、カットアウトスイッチ、スナップスイッチその他の開閉器にコード又はキャブタイヤケーブルを接続する工事

二 電圧六百ボルト以下で使用する電気機器(配線器具を除く。以下同じ。)又は電圧六百ボルト以下で使用する蓄電池の端子に電線(コード、キャブタイヤケーブル及びケーブルを含む。以下同じ。)をねじ止めする工事

三 電圧六百ボルト以下で使用する電力量計若しくは電流制限器又はヒューズを取り付け、又は取り外す工事

四 電鈴、インターホーン、火災感知器、豆電球その他これらに類する施設に使用する小型変圧器(二次電圧が三十六ボルト以下のものに限る。)の二次側の配線工事

五 電線を支持する柱、腕木その他これらに類する工作物を設置し、又は変更する工事

六 地中電線用の暗渠きよ又は管を設置し、又は変更する工事

  

第一種電気工事士

 一般用電気工作物又は自家用電気工作物を設置、変更、撤去する工事を行う作業に従事することができます。(最大電力500kW未満の需要設備に限ります。)

 

■第一種電気工事士免状取得者は電気工事士法で規制されている次の電気工事の作業に従事することができます。

(1)自家用電気工作物のうち最大電力500kW未満の需要設備の電気工事

(2)一般用電気工作物等の電気工事

ただし(1)の作業のうちネオン工事と非常用予備発電装置工事の作業に従事するには、特種電気工事資格者という別の認定証が必要です。

 

また、自家用電気工作物のうち最大電力500kW未満の需要設備を有する事業所(工場やビル等)に従事している場合、事業主が産業保安監督部長に当該事業場の電気主任技術者として選任許可申請の手続きを行い、許可が得られれば電気主任技術者になることができます。(手続きは第一種電気工事士免状取得者ではなく事業主が行います。)

 

■第一種電気工事士免状未取得者(試験合格者)

産業保安監督部長から「認定電気工事従事者認定証」の交付を受ければ、簡易電気工事の作業に携わることが出来ます。(簡易電気工事とは自家用電気工作物のうち、最大電力500kW未満の需要設備であって、 電圧600ボルト以下で使用する電気工作物の電気工事をいいます。)

 

また、自家用電気工作物のうち最大電力500kW未満の需要設備を有する事業所(工場やビル等)に従事している場合、事業主が産業保安監督部長に当該事業場の電気主任技術者として選任許可申請の手続きを行い、許可が得られれば電気主任技術者になることができます。(手続きは事業主が行います。)

 

第二種電気工事士

一般用電気工作物等(一般住宅や小規模な店舗、事業所のように電力会社から低圧で受電する場所の配線や電気使用設備等)の一般用電気工作物等の電気工事の作業に従事することができます。

免状を取得後、3年以上の電気工事の実務経験を積む、または認定電気工事従事者認定講習を受け、産業保安監督部長から「認定電気工事従事者認定証」の交付を受ければ、簡易電気工事の作業に携わることが出来ます。(簡易電気工事とは自家用電気工作物のうち、最大電力500kW未満の需要設備であって、 電圧600ボルト以下で使用する電気工作物の電気工事をいいます。)

 

また、自家用電気工作物のうち最大電力500kW未満の需要設備を有する事業所(工場やビル等)に従事している場合、事業主が産業保安監督部長に当該事業場の電気主任技術者として選任許可申請の手続きを行い、許可が得られれば電気主任技術者になることができます。(手続きは事業主が行います。)

 

免状について

令和3年4月1日以降に第一種電気工事士の免状交付申請を行う場合、3年以上の実務経験が必要です。(もともとは5年の実務経験が必要でした。)

第二種電気工事士については試験に合格して申請をすれば免状を受けることができます。