経営審査の総合評定値(P点)がどのように決まるのか

経営審査の総合評定値(P点)がどのように決まるのか、評価項目を分解してみていきたいと思います。

 

総合評定値 P = 0.25X1 + 0.15X2 + 0.2Y + 0.25Z + 0.15W

 ※小数点以下四捨五入

 

 

X1:完成工事高(業種別の工事金額)

 

X2:自己資本額(資産総額から負債総額を引いた金額)

 利益額(経常利益額に減価償却費のうち一定の金額を足した金額)

 

Y:経営状況(純支払利息比率、負債回転期間、総資本売上総利益率、 売上高経常利益率、自己資本対固定資産比率、自己資本比率、 営業キャッシュフロー、利益剰余金)

 

Z:技術力(業種別技術職員数、業種別元請完成工事高)

W: 社会性等(労働福祉状況、営業年数、防災協定、法令遵守、経理、研究開発、建設機械の保有、ISO登録、若年者の育成雇用)

 

 

経営状況(Y点)は8つの指標で評価していますので更にこれも確認しましょう。

 X1 純支払利息比率 (支払利息-受取利息配当金)÷売上高×100

 X2 負債回転期間  (流動負債+固定負債)÷(売上高÷12)

 X3 総資本売上総利益率  売上総利益÷総資本(2期平均)×100

 X4 売上高経常利益率  経常利益÷売上高×100

 X5 自己資本対固定資産比率 自己資本÷固定資産×100

 X6 自己資本比率 自己資本÷総資本×100

 X7 営業キャッシュフロー 営業キャッシュフロー÷1憶(2年平均)

 X8 利益剰余金  利益剰余金÷1憶

 

規模の小さな事業者に関係が深いのは、X1純支払利息比率、X2負債回転期間、X4売上高経常利益率です。X1X2のふたつの指標は金融機関からの借入金がある場合に大きく影響をしてきます。年間の売り上げに対して元本および利息の返済にかかる負担がどれだけ大きいか?ということを計る指標であるからです。

 

またX4は粗利ですから受注した工事からどれだけ手元にお金が残るかという指標です。事業が行き詰まる、ひいては倒産してしまう事業者の多くは月々の返済に行き詰まることが原因だと思います。黒字倒産などという言葉がある所以でもあります。Y点は「規模は小さくても潰れにくい会社を高く評価する」とも言われます。