建設業法の歴史を社会情勢とともに振り返る

 

 

国交省が作成した資料(平成28年時点)をご紹介します。敗戦後間もない昭和24年に制定された建設業法が、社会情勢の移り変わりに合わせて徐々に改正がされていく様子が覗えます。

 

下請保護の規定や、請負業者の施工能力・資力を担保するため建設業許可の制度が出来たのが昭和46年です。それから50年経過して静岡県の許可番号は現在41,000程になっていますが、弊所のお客様にも許可番号が3桁の方もおられて歴史を感じます。

 

青い棒グラフは国内の公共・民間を合わせた建設投資額です。敗戦後はほぼ右肩上がりに増え続け、平成4年にピークの80兆円を迎えます。現在は50兆円あまりですから当時の景気の良さはやはり凄いですね。

 

バブル崩壊で投資額がピークを過ぎると公共工事をめぐる事件等が明るみに出て、平成5年には罰則等の欠格要件が強化されました。経営事項審査の制度は昭和36年に始まり平成6年に義務化されました。

 

経審の評価は経営規模と技術力がベースになっていますが、社会性といわれるISO導入、防災協定締結、建設機械保有、若年者雇用などその時々で要請される評価項目が追加されています。

 

建設投資額が減り続ける中でダンピングに歯止めがかからず、平成17年に品質を確保するための法整備がされました。

 

平成20年にはリーマンショックにより大打撃、さらに東日本大震災と大変な時期を迎えました。

 

その後、自民党政権になり建設投資額が再び上昇するにつれ資金的な余裕は生まれてきましたが、担い手の不足が顕在化しました。担い手を確保するため、国は建設キャリアアップシステム等の施策を進めています。

 

そして今、コロナ禍を契機に日頃の業務もオンライン化が進みました。

現場に配置する技術者の条件緩和や非対面での検査等が国で議論されています。

 

担い手不足をデジタルで補う動きとともに、経審の審査項目は今後ますます、若手の育成、女性の活躍に取り組む企業を高く評価する方向に進んでいきそうです。