国や都道府県など発注者から、建設キャリアアップシステムを活用した工事の仕様書が公開され、徐々に運用が始まっているようです。
例えば私の地元である静岡県は次のような状況です。
静岡県HP「建設キャリアアップシステム活用工事特記仕様書」(2014.1.24公開)
こちらから気になる点を書き出しました。
①対象の工事:静岡県が発注する全ての工事を対象にする
②発注の方式:受注者が希望により施工計画書に記載する
③運用の確認:CCUSの現場就業履歴の提示
④工事の成績:創意工夫の項目で評価
⑤費用の負担:登録の費用、機器の導入費用は受注者の負担
以上のように、静岡県の場合には実際どれだけ活用されるのかが具体的に想像がつきませんが、埼玉県の取り組みが非常に進んでおり、いま注目されています。
埼玉県HP「建設キャリアアップシステム活用モデル工事(県土整備部)」
①対象の工事:県土整備部が発注する全工事(令和5年12月25日以降)
②発注の方式:発注者指定型(発注者が指定する)
受注者宣言型(発注者との協議によりモデル工事に指定する)
③運用の確認:技能者登録率60%以上、就業履歴を全工事期間
④工事の成績:創意工夫の項目で評価
⑤費用の負担:共通仮設費として積み上げ計上し変更契約できる
静岡県と比較をすると、次のような違いがあると思います。
1.発注者が指定する工事がある(受注者任せになっていない)
2.適切な運用の確認基準がある(受注者任せになっていない)
3.導入費用への配慮がある(受注者任せになっていない)
経営事項審査(経審)の加点項目では、CCUSの現場運用を全ての元請工事(公共のみ選択もあり、少額工事は対象外)で実施した場合(誓約書を提出することで)に加点をするとしています。
建設キャリアアップシステムの普及を念頭におけば、埼玉県を参考にしてみると、各地域のリーダー的な役割の建設業者がCCUSの運用に取り組みやすい、取り組むメリットがより感じられる環境を整えていくことが、普及を促進するうえで発注者側に求められると思います。
また技能者登録数や現場就業履歴の蓄積の基準を満たすには、協力業者さんの協力なくしては実行に移せません。協力業者さんにとっての環境整備も必要です。
まだまだ長い道のりになりますが、少しずつでも進歩していけるよう、私もできることに取り組みたいと思います。