建設業法改正の動き

 

派閥のパーティ収入のキックバック問題でなにかと騒がしい今の国会ですが、人手不足の対策としての建設業法、入札契約法の改正法案が成立する見込みです。

 

2023年の出生者数が75万人と、政府の見通しが11年も前倒しされ、初めて80万人を割ったという驚きのニュースが届いたばかりです。

 

厚労省の統計で2021年の技能労働者数は60歳以上の高齢者は79万人(25%)ですので、希望的に見ても15年後には労働者の大幅な減少が見込まれます。一方、それを補うべき30歳未満の若手の数は32万人(12%)とされており、充分な人数とは言えません。

 

技術の進化で補える部分もあろうかと思いますが、2040年には全国の建設現場で65万人の労働力が不足する、という予測もされています。

 

建設業はGDPの5~6%といわれ製造業やサービス業と比べてその割合は小さいです。その中でも若い働き手を確保していくためには、他の業界と比較しての働きやすさと賃金のバランスを取るのが課題と認識され、今回の法改正に至ったのだと思います。

 

建設業関連法改正のポイント

工期のダンピング防止

著しく短い工期での工事請負契約の締結を受注者側にも禁止し、過度な残業を抑える

労働者の処遇改善

受注者側に資材高の高騰など、リスク情報の提示を義務化し、価格の転嫁、増額の契約を促す

同上

技能労働者の適正な労務費の基準を定め、元請や上位業者による過度な中抜きを抑える

人員配置の規制緩和

監理技術者(主任技術者)が規模の大きい現場で求められる専任の義務を緩和し、複数の現場を兼任できるようにする

(日本経済新聞2024.3.1を元に編集)

  

法律の改正に義務や罰則が伴っても、実際に実現していけるかどうかは発注者と受注者双方の認識の一致によります。事業者単体で取り組めることは限られていると思いますが、それでも諦めず出来ることから手を打っていければと思います。

 

以下は国土交通省HPより添付